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- 2016/07/15 掲載
ソフトバンク流「地方創生」、長野県塩尻市を「インターン」で活性化?(2/2)
ICTを活用し、地方を変えたい学生は、いざ塩尻市に集まれ!
──なるほど。こうしたよいフィードバックをもらったので、今回はインターンシップで実施しよう、となったのですね。佐々木氏:はい。日本の就職活動はヨーイドンで一斉に始まり、会社説明会やHPなど限られた情報の中で就職先を決めなければいけないケースがほとんどです。学生も急に「自分がどういうキャリアを歩みたいのか考えて」と言われても、戸惑うのは当たり前ですよね。そこでいわゆる就職活動が始まる前のタイミングで、「働く」「世の中を良くする」ということを考え、体感できる機会を設けようと思い、地方創生インターンを実施する運びとなりました。本インターンを通して、机上の空論ではなく、実際に世の中にどんな課題があって、それに対して何ができるのかを体感し、成長の場として欲しいですね。
日下部氏:学生の中には「生の課題に触れる実践の場、体験の場」が足りず、働く意味が分からないまま就職する人が多いと感じていました。地方行政の方々が今まさに困っている、生の課題を目のあたりにすることで、働く意味や仕事に向き合ってもらい、「情報革命で人々を幸せに」というソフトバンクの経営理念を、心から体感してほしいと思っています。
──塩尻市では、具体的にどのような課題をお持ちなのでしょうか。
佐々木氏:たとえば塩尻市には5000人の集客を誇る大イベントがあります。しかし、来場者データが取れていないので、これをICTで見える化したい、というような課題があります。あるいは、選挙の投票率が低いので投票率を向上させたい、地域の高齢者に予防検診に来てもらえるようにしたい、といった課題が出ていますね。
これらを踏まえて、今回のインターンで取り上げる課題・テーマについて今後詳細を詰めていく予定です。
日下部氏:今回はたまたま塩尻市と一緒に開催しますが、取り上げる課題自体は日本の地方自治体が共通で抱えるものだと思います。ですが、東京にいると意外に見過ごしがちな課題だったりもします。そこから目を逸らさず、本気で向き合うことでおそらく日本の今後にも、当事者意識を持って関われるようになると思います。
──「ソフトバンクならでは!」という特徴は何かありますか?
佐々木氏:やはり1番の特徴は、ICTを活用する点だと思います。我々の経営理念である「情報革命で人々を幸せに」に繋がるものであれば、どんなアプローチでもOKです。情報革命を通じて課題を解決し、その先にいる人々を幸せにすることを体感してもらう。実体験を通してそれを経験できるという点が他社のインターンとの1番の違いだと思います。
難易度は高いが、「脳がちぎれるほど考えてもらう」
──取り組み自体は面白いのですが、裏を返せば「難易度が高い」とも言えます。インターン生に対して何かケアを考えられているのでしょうか?佐々木氏:根深く残る課題を解決することは、もちろん簡単ではありません。全力でぶつかってもらいたいと思っています。その中で失敗することも多々あると思いますが、その経験を乗り越え成功体験をしてもらえるよう、我々もサポートします。ソフトバンク流の「脳がちぎれるほど考えてもらう」という方針は変わりません。
参加者のケアについては、各チームに社員1人がサポートにつきます。学生の「壁打ち役」として案のブラッシュアップの手助けをしていきます。今回のプロジェクトは、塩尻市長への提案がゴールということもあり、本当に良いと思う提案をしてもらいたいですからね。
──では、提案後のゴールはどういう風に設定されていますか?
佐々木氏:やって終わりでは意味がないため、振り返りの時間として最後の1日は事後研修に当てます。つまり実際にやってみて、感じた課題をフィードバックし、自分自身やキャリアについて考えてもらうわけです。何を学んで、何を感じたかを、自分の中でしっかりと刻んでもらうことが全体を通してのゴールです。やはりさまざまな経験や感情を刻んで次に活かしてほしいと思っています。
──意見の食い違いや分裂があるかもしれません。
日下部氏:最初は大いにぶつかり合ってほしいですね。その中からチームルーチンの時間を短くして、課題に向き合う時間をいかに多く取るかという方向に向かってくれれば嬉しいです。もちろん個人の性格やスキルを考えて、チームを編成します。社会でも同じで、多様な人がいるチームの方が良いアウトプットが出せると思います。いろいろと難しい点もありますが、人間的な成長がかなり期待できる気がしますね。
このインターンを大きな成長に繋げてほしい
──自治体と組んで研修やインターンシップを実施する企業は、他にもあるのでしょうか?佐々木氏:あまり聞きませんね。例年ソフトバンクが実施している「就活インターン」は、我々の業務内容や社風を理解してもらい、学生と企業のマッチングを計ることがメインの目的でした。今回のインターンでは働く意義や貢献性、誰かのために何かをする喜び等を感じ取ってもらうことに主眼を置いています。なので、ICTを活用して地方に貢献したい、そういう強い意識を持つ学生に参加してもらいたいですね。
──主に地方の学生が参加対象ですか?
佐々木氏:いえ、地域はあまり関係ありません。今回は計30名の学生を募集しますが、長野県だけでなく、日本中、世界中どこからのご応募でも大歓迎です。
──ソフトバンクとして、今後こういう活動を増やしていく方針ですか?
日下部氏:はい。インターンだけではなく、人材開発分野では引き続き、地方自治体や他企業と連携して課題解決型の社員研修を進めて行く予定です。こういった経験をした社員もそうですが、経営者や事業リーダーの方って実は共通点があるような気がしていて。自分の言葉で「働くとは何か」を明確に語れるんですよね。なので、参加する学生の皆さんが、インターン終了時点で自分にとっての「働くとは何か」を拙いながらも表現できるようになっていたら、大成功ですね。
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