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  • 2015/04/15 掲載

仲 暁子氏が明かす、なぜFacebookを辞めてウォンテッドリー起業へ踏み出したのか

ウォンテッドリー 仲 暁子氏インタビュー(前編)

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月間60万人が使う国内最大級のビジネスSNS「Wantedly」を運営し、優れた人材と企業のマッチングを中心に事業を展開するウォンテッドリーの仲 暁子氏。仲氏は、ゴールドマン・サックス証券、Facebook Japanを経て、2012年にWantedly.comを公式リリースしたというユニークな経歴を持つ。人と人がつながることで、個人の可能性を最大限に広げる新サービスを生み出した注目の人物に、会社設立の経緯から、企業理念、事業の狙い、強みや特徴などについて話をうかがった。
(聞き手は編集部)

企業理念は「シゴトでココロオドル人をふやす」こと

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ウォンテッドリー CEO 仲 暁子氏

──まずはご経歴について簡単にご紹介ください。

仲氏:京都大学在学中からフリーペーパーの制作やミスコンの企画など、いろいろなことにチャレンジしてきました。ゴールドマン・サックス証券に入社した後、ご縁がありFacebook Japanに初期メンバーとして参画しました。そこでソーシャルメディアの波がやって来ると感じて、2011年9月にWantedlyのプロトタイプリリースまでこぎつけました。

──独立において、ソーシャルネットワークを核に据えた事業を始めようと考えたのはなぜでしょうか?

仲氏:やはりタイミング的なことが大きかったですね。世の中をみると、10年ぐらいの周期で情報伝達手段がドラスティックに変わるタイミングがありました。

 1990年代は、Yahoo! のような検索サイトがメジャーで、人が編集したディレクトリ型のコンテンツを辿って情報を取りにいく形が主流でした。2000年代に入るとGoogleが登場し、Googleの検索エンジンに最適化したコンテンツを作れる人がPVを稼げるようになりました。そして2010年代からはSNSが発展して、人にもBotにも関係なく、エンドユーザーに共感されるコンテンツが「いいね」でシェアされる時代になりました。

 つまり、コンテンツの本質的な良さが情報の拡散力として機能する時代になったわけです。それぞれの時代でゲームチェンジが行われ、ゼロスタートの出発になるときイノベーションが起きます。私は、その瞬間が2011年だったと感じ、意を決してウォンテッドリーを立ち上げました。

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「Wantedly」。月間60万人が利用する、日本最大級のビジネスSNS。従来のリクルーティング・サイトとは異なり、「給与」や「職歴」などの条件でのマッチングではなく、「モチベーション」や「仕事仲間」などのやりがいや環境による求人者と求職者のマッチングを行う

──設立から5年間を迎え、事業も伸びてきています。改めて企業理念について教えてください。

仲氏:企業理念は「シゴトでココロオドル人をふやす」ことです。仕事で幸せになるという意味ですが、仕事には大きく2つの極があると思います。1つは快楽的な状態。もう1つは辛くても充足感があって、寝食忘れて没頭できる状態。  ウォンテッドリーは、後者のような人が増えることを目指しています。結果的にクリエイティブで生産性が上がり、仕事で心踊る人が増えれば、と考えています。今、顧客約8,000社(2015年4月8日時点)のうち半分ぐらいがスタートアップです。最終的に我々のサービスが1,200万ユーザーぐらいまで成長してくれれば嬉しいですね。日本の労働人口は6,000万人なので、そのうちの20%を目標にしています。

──なるほど。では、ウォンテッドリーの具体的な事業内容について教えてください。

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SNSの中で各プロフィールがしっかりと作り込まれる。画面はプロフィール作成の入力インターフェース
仲氏:サービスとして提供しているものは、Facebookを活用したビジネスSNS「Wantedly」です。このSNSには、人同士の「つながり管理」と「マッチング」という2つの大きな機能があります。まず、SNSの中で各プロフィールがしっかりと作り込まれ、コミュニティの人同士がつながることができ、それを管理できる機能があります。たとえば人に会って名刺をなくしても、そのコミュニティ内のキャリアでつながりが持てます。

 もう1つの機能がマッチングです。ユーザーは気になる企業へ遊びに(気軽に訪問しに)行ったり、声をかけてもらったりして、最終的に転職に至ることになるかもしれません。Facebookの人間関係が下地にあるので、企業側も応募者の人柄や交友関係などを履歴書よりも把握できます。ビジネスモデルとしては、マッチングの方から収益を上げており、人材を求めている企業側から月額約3万円をいただいています。

【次ページ】同業他社が長続きしない理由と、ウォンテッドリーの強みとは?
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