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- 2010/07/26 掲載
【連載】ザ・コンサルティングノウハウ(17):有能者のノウハウ抽出と普及
新しいコンサルティングノウハウを生み出す
有能者のノウハウ抽出と普及
ブレークスルー塾の日がやってきた。今回山口は、子供達にATACサイクルを教えようと考えた。「この間は、ノウハウの話をしたよね。物事をうまくやる方法だ。それから、ノウハウは、メソドロジーを使うと整理できることも話したね」
子供達はうなずいた。
「ところで、このノウハウは、いつ、どうやって作られるんだろう」
子供達は、しばらく考えていた。
「なにか偶然うまくいった時」
道子が言った。
「どうすればうまくいくか、必死で考えた時」
啓太が言った。
「みんな正しい。じゃあ、君たちが偶然うまくいった時や、どうすればうまくいくか必死で考えた時のことを話してほしい。そこでどんなノウハウが生まれたか」
和夫が手をあげた。
「お祭りの時に、それぞれのクラスで大きな絵を書いて、どのクラスが一番うまいかコンテストがあって、うちのクラスが一番になりました。絵をかくときに先生が、絶対優勝しようと言ったから、どうすれば優勝するか皆で考えました。最初、自分達が好きな絵を書こうと言っていたんだけど、誰かが、役に立つ絵にしようって言って、それでまず何をかいたら優勝するか考えました」
「何をかいたの」
「この街の優しい人、親切な人をかきました。地球がごみで一杯になるとか、大変なことが多いから」
「それで優勝したんだね。おめでとう。この話から、どんなノウハウが生まれたの」
「絵をうまくかく前に、絵のテーマから考えないと優勝できないってことかな」
「それは、その後どんなことに使えると思う」
和夫かは、考え込んだ。
「夏休みの感想文とか、コンテストで優勝したければ、内容よりまずどの本の感想文にするか考えることかな」
啓太が言った。
「感想文が下手だったら、優勝できないわよ」
道子が言った。
「でも、マンガの感想文を書いても、優勝できないでしょ」
啓太が返した。
「どのようにするか考える前に、まず何をするかをよーく考えるということかな」
「それそれ」
山口の助け舟に、啓太が答えた。
「これは重要だよ。覚えているかい。『代替案の評価』のとき、いきなり代替案の評価を始める前に、そもそも命題は正しいかどうか先に考える必要があることをやっただろ。絵をかいたり、感想文を書いたりするのは大変だから、できるだけいいテーマを見つけないと、努力が無駄になるかもしれないね」
子供達は、うなずいた。
「さて、ここからが問題だ。『まず、何をするかよーく考える』というノウハウは、和夫君が『ああそうだ!』と思い出したところから出てきたよね。でも、『ああそうだ』ということを思い出して、それがどんなノウハウなのかちゃんと考えないと、折角いいノウハウがあるのに気がつかないかもしれないよね。逆に、『ああそうだ』と思ったときに、必ずこれはどんなノウハウになるんだろうと考えると、そう考えない人よりも多くのノウハウを手に入れられる」
山口は「ATACサイクル」とホワイトボードに書くと、それぞれの文字の意味を説明していった。
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