- 2025/03/08 掲載
組織にとって「驚愕の事実」を発見…信頼を高めるための「7つの行動」とは何か(2/3)
噂や秘密がつながりを強固にするという神話のウソ
■ 機密性について「機密保持」に関する難しさは、私にとって最大の学びのひとつである。ここで、私の昇進を拒否したハビエルとの、信頼に関する会話を例にあげる。
「昇進できなくてさぞかしがっかりしていることだろう。きみにはいくつか信頼の問題があって、それが昇進を妨げているんだ」このとき、彼が私に「信頼の問題がある」とは言わず「機密保持に関して問題がある」と言ったとする。
私は驚き、ハビエルを見てこう言う。「会社の機密事項は共有していますが、ここで聞いた話を口外したことは一度もありません」
ハビエルはうなずいてこう言う。「きみの話は信じるが、きみは私のオフィスへ頻繁にやってきては、ほかの人の話をするだろう」
人は、機密保持に関するその側面を忘れている。あなたのことは裏切らなくても、他人の秘密をあなたにしょっちゅう話してしまう人に出会った経験はないだろうか? 会社の外でも彼らのことを信頼できるだろうか?
自分を裏切った証拠はなくても、そういう人たちは他人の話を誰かに話したくてうずうずしているに違いなく、情報を漏らさないでいられるかは疑問が残る。
秘密に関して言えば、言いたくなる気持ちはよくわかる。噂や秘密が、つながりを強固にするという神話を信じている人は多いだろう。しかし、そうではない。
同僚のオフィスに立ち寄って秘密の話をすれば、その瞬間はつながりができるかもしれないが、それは「偽物のつながり」だ。私がそのオフィスを出た瞬間、相手はこう思うはずだ。
「ブレネーと話すときは気をつけないと。あの人には境界線がないらしい」
「楽しく、手軽に、簡単に」は誠実さの最大の障壁
■ 誠実さについて「誠実」という言葉は、必要以上に多用され、薄められ、また、スローガンとして日常的に掲げられることが多いかもしれないが、その概念の重要性が損なわれることはない。
拙著『立て直す力』のリサーチ中に、私はデータから読み取れる誠実さの定義について徹底的に調査した。そしてデータから浮かびあがった3つの特性を参考に、つぎのように定義した。
「誠実さとは、快適さより勇気を選ぶことであり、楽しみや手軽さ、簡単なことより正しいことを選択し、自分の価値観を公言するだけでなく実行に移すことである」
「楽しく、手軽に、簡単に」という今日の文化は、誠実さの最大の障壁になっている。利便性やコストを理由に、「近道」を正当化するのは簡単だ。しかし誠実さはそのやり方では機能しない。
私はこれまでの人生で苦労したり、時間をかけたりせずに有意義なことを成し遂げたことはないと断言できる。誠実さは重要だ。これが欠けていると、あるいは近道をしようと思うだけでも、たちまち相手に警戒されるだろう。
こうした新しいスキルやツールを実践するための最善の方法のひとつは、「誠実なパートナー」を社内で見つけて、自分が誠実に行動できているかどうかをその人に確認してもらうことだ。このパートナーは、ここ最近のやり取りで疑問に思ったり、難しい会話を練習したいと思ったりしたときに相談できる相手でなければならない。
私は職場に誠実なパートナーがふたりいるが、日常的にロールプレイをしたり、フィードバックをしたり、会話の練習をしたりしている。パートナーやチームとともに勇気を構築していくほうが、ひとりでおこなうよりも心強い。 【次ページ】驚愕の事実…「助けを求めない部下は信用できない」
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