連載:Copilot for Microsoft 365で変わる仕事術
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Copilotを使いこなすユーザーがやっていること
Copilotをよく使っているユーザーほど、本当にささいなことだと感じられるものもCopilotに聞いています。たとえば、Power Pointで資料作成中に自分で書いた箇条書きがしっくりこないなという場合には「この箇条書きを、それぞれの文字数が同じくらいで分かりやすく書き換えて」とお願いしたり、図を作成するときに必要な色を「プレゼン資料で見やすい7色を考えて」とお願いしたりしています。
こうしたユーザーは、とにかくダメ元で聞いてみて、少しでも役に立てばうれしいと考えているようです。とあるユーザーに話を聞いたところ、「Copilotからの回答が10%でも20%でも役に立てば十分にうれしい」と言っていました。Copilotの回答が完璧なものでなかったとしても、自分で0から1を考える苦労を少しでも助けてくれるのであればうれしいですよね。
「Copilotが削減してくれたのは手を動かす工数だけではなく、作業に取り掛かる前の重い気持ちも軽くしてくれた」と言っているユーザーもいました。
日常使いの生成AIとしての可能性
Microsoft 365 Copilotの利用が進むにつれて、ユーザーの使い方にも変化が見られるようになりました。特に、利用開始当初に比べて、日常的で“小ぶりな”用途での利用が増えているように感じられます。
たとえば利用を初めてすぐは「Microsoft 365に関する提案書を作成して」というような、大ざっぱなお願いをし、完璧な成果を期待するユーザーも多くいました。それが今では、「提案書作成のためにMicrosoft 365の代表的な機能ついて教えてほしい」「Microsoft 365の特徴を3つの箇条書きに整理したけど、もっと分かりやすい書き方はないかな?」など、より小さく詳細なタスクでCopilotの支援を受けるようになりました。
これはユーザーが現在のCopilotの限界や、Copilotをどのように利用すると便利なのかを徐々に理解していることによるのかもしれません。その結果として、ユーザーがCopilotの便利さを実感し、日常的で身近なタスクにも活用し始めることができたと考えています。
このようにCopilotの活用には、「どこまでなら出来そうか」「それをいつ利用すると便利そうか」などの、Copilotを利用する上での勘をつかむ必要があります。そのための近道は、とにかくCopilotを使ってみることではないでしょうか。
ChatGPTなどのように、チャットのUIを備えている生成AIは多くあります。それらの生成AIももちろん優秀ですが、使いこなすにはプロンプトの工夫が必要になることも多く、何よりMicrosoft 365ユーザーにとってはこれまでの作業フローからは切り離された存在です。
Microsoft 365 Copilotは、これまでもMicrosoft 365ユーザーが利用してきたサービスやツールの中で利用できます。その身近さから、ほんのささいな相談事でも気軽に聞いてみることができます。こうしたことから、Microsoft 365 Copilotはまるで日常使いの生成AIだと感じました。
Microsoft 365 Copilotの活用を進めるには、何か身構える必要はなく、もっと気軽で本当にささいだと感じられる用途から使い始めることが大事だと思います。
さて次回は、11月後半に開催が予定されているMicrosoft Igniteについて、Copilotに関する情報を整理してみたいと思います。
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