- 2006/08/17 掲載
【CIOインタビュー】 山崎文栄堂 代表取締役社長 山崎 登氏(2/3)
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増加した不良債権管理にITを活用
山崎文栄堂では、ネットとカタログなどの融合を目指したホームページを2000年に立ち上げた。その際、自分たちが楽しんで仕事をしているというメッセージを伝え、またできるだけ多くの情報をスピーディーに届けることに主眼を置いた。サイトを作ると、山崎文栄堂へ来るお客様が、会社の情報を詳しく調べてから来るようになった。ネットの威力に驚きながらも、その可能性に山崎は気付くことになる。
その後、アスクルの代理店になり、クライアント企業が毎月500社単位で増えていく。嬉しい悲鳴を上げる一方で、なかにはお金を払わない企業も出てくる。どうにかならないかと考えた山崎は、カード会社のように、注文を受けたら30分で審査する独自のシステムを構築した。ポイントはこうだ。購入履歴をしっかり管理し、いくらまでだったら出荷できるかなどのルールを作り、それをMicrosoft Accessのデーターベースで判断するというもの。名前と請求を一致させ、入金があると自動的に消しこみをする仕組みになったことで、どういうふうに出荷するのがベストかというノウハウが蓄積できるようになった。
「このシステムが稼動する前は、売り上げの2%が不良債権だったこともありました。これがITによる管理と効率化により、0.2%まで比率が下がりました。これは大きいですよね」と山崎。
物を届けることから、オフィス作り「提案」へのシフト
顧客もウェブやカタログから注文ができ、利便性が向上してきたことで余裕ができた。また、山崎文栄堂への信頼が高まるにつれ、以前のような単なるお届け屋さんではなく、オフィスに関して提案をしてほしいなど、大きな依頼が来るようになった。山崎は言う。
「便利になって、時代が変わってきたこともあると思うのですが、今お客様に一番求められているのは『提案』です。お客様の声は常に変わります。今は『当社に合う情報を教えてほしい』となってきている。つまり、欲しい商品が便利に買えればいい時代は終わったのです。もちろんカタログから選びたいという方もいれば、フルサポートで提案してほしいという方まで、お客様によって違います。しかしこれからは、私たちがお客様のニーズをより深く知り、社員全体で共有して仕事をしていくのが大事になりますよね。」
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