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米テック大手のシリコンバレー拠点では、オフィスワークを再開する動きが相次いでいる。グーグルは4月4日から、週3日のオフィスワークと週2日のリモートワークを組み合わせたハイブリッドワーク制を本格始動。同時に、オフィスとデータセンターに95億ドル(約1.2兆円)を投じる計画も明らかにした。アップルも4月11日からハイブリッドワーク制を開始した。一方、求職者のリモートワーク需要は依然高い状況が続いている。米国のハイブリッドワークを取り巻く最新動向を探った。
グーグルのハイブリッドワークシフト
米テック大手のシリコンバレー拠点では、オフィスワークを再開する動きが相次いでいる。
グーグルは4月4日から、オフィスワークとリモートワークによる
ハイブリッドワークに完全移行したと報じられている。
NBCによると、ベイエリアのグーグル社員は、週3日のオフィスワークが必須となる。オフィスに入るには、ワクチンを接種していることが条件となるようだが、ワクチンを接種していない場合でも、マスク着用や定期検査の受診などでオフィスに入ることができるという。
2月末時点では、ベイエリアのグーグル社員のうちオフィスに復帰していた割合は3分の1以下だったが、4月からすべての社員が最低週3日のオフィスワークを行うようになるようだ。
CNBCの2月23日時点の
報道によると、グーグルは2月頃から、ワクチンルールの緩和やアメニティの再開など、ベイエリアのオフィスワーク再開準備を開始。
2021年12月時点の報道では、グーグルは米国社員に対し、ワクチン摂取を義務付ける方針であり、ワクチンを摂取しない社員は減給や解雇の対象になるとされていた。
一方、上記CNBC2月の
報道では、グーグル不動産・職場サービス部門責任者(VP)デイビッド・ラドクリフ氏がベイエリア社員宛てに、米国社員にワクチン接種を義務付けるとする方針を撤回したことに加え、コロナ検査、マスク着用、ソーシャルディスタンスに関するルールを緩和する旨を記載したメールを配信したことが判明した。
また、13日にグーグルは米国内のオフィスとデータセンターに95億ドル(約1.2兆円)を投じる計画を明らかにした。2021年の投資額は70億ドルだった。この中にはデータセンターへの投資額も含まれるが、アトランタにオフィスを新規開設するほか、オースティンやニューヨークにもオフィスを拡大する。
アップルは4月11日からオフィスワーク復帰
一方のアップルは、4月11日からオフィス/ハイブリッドワークを段階的に実施しはじめた。
ブルームバーグによると、アップルのティム・クックCEOは社内メモで4月11日から段階的にオフィスワークを増やす計画を明らかにしたという。
この計画によると、4月11日からの3週間、コーポレーション社員は最低週1回のオフィスワークを実施。その後、5月2日からの3週間、オフィスワーク日数は週2日となり、5月23日からグーグルと同様にオフィスワーク週3日制に移行するというものだ。
アップルでは週3日の曜日が指定されており、5月23日以降、社員は月、火、木の3日間をオフィスで過ごす必要があるとのこと。
グーグル、アップルに先立ち、オフィスを完全開放したのがツイッターだ。
ツイッターのパラグ・アグラワルCEOは、世界各地のオフィスを3月15日に完全開放することを発表。これに伴い、出張も再開されたという。
ただし、ツイッターでは2021年5月にリモートワーク永久許可制度が導入されており、オフィスワークに戻るか否かは社員個人の判断に委ねられている。アグラワルCEOは、オフィスでも自宅でも、社員が最も生産的かつクリエイティブになれる場所で働くことが重要という姿勢を堅持している。
ツイッターは、昨年7月にサンフランシスコとニューヨークのオフィスを再開したが、コロナ感染の拡大で一旦閉鎖。その後11月に限定条件付きで再開するなど、これまで何度かオフィス再開を試みてきた。
【次ページ】リモートワークを取り巻く最新動向
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