インドのナレンドラ・モディ首相は、2014年に国家政策として「Make in India」を発表しました。Make in Indiaは、インドの高い経済成長と雇用創出のために、従来依存していたサービス業から製造業へと成長の軸足をシフトさせ、海外からの投資促進により製造業を発展させることを目的としています。
インド政府はMake in Indiaによって、製造業によるGDPシェアを60%程度に向上させることを目標とし(政策発表時は15-25%)、自動車、バイオテクノロジー、オイル・ガス、鉄道、宇宙など振興対象となる25業種を中心に若年層の雇用を確保し、2022年までに製造業で1億人の雇用を創出することを目指しています。
Make in Indiaには、対象業種における投資やイノベーションの促進、知的財産の保護、製造インフラの構築に向けた新規優遇措置などが含まれています。この製造のインフラとして想定されているのは、デリー・ムンバイ間 産業大動脈構想(DMIC:Delhi Mumbai Industrial Corridor)、産業クラスター、スマートシティーなどです。
Make in Indiaのビジョンには、インドを「デジタルによって強化された社会と知識経済に変える」ことが掲げられています。そこで製造業における雇用創出とともに、第4次産業革命に必要な先端技術を導入し製造業のデジタル化を進めようとしています。インドでは1990年代に経済が自由化されIT産業が発展してきましたが、そのIT産業の力を今後発展を目指す製造業に活用しようとしているのです。