- 会員限定
- 2018/09/10 掲載
ゲーム大国日本が“eスポーツ後進国”に甘んじている2つのワケ
eスポーツは「スポーツ」なのか?
日本では、2018年2月に振興団体である日本eスポーツ連合(以下、JeSU)が誕生した。これは複数あったIPホルダー(Intellectual Propertyホルダー:ゲームメーカーなど著作権の発生するクリエイティブを持つ企業のこと)やeスポーツ推進団体が統合されたもので、世界でも類を見ない取り組みだという。
ただし、身体活動という点では、eスポーツはあまりスポーツらしく見えない。この点について平方氏は、体を動かすフィジカルスポーツと頭脳を使うマインドスポーツ、その中間にある「インタラクティブスポーツ」にeスポーツは位置づけられ、敏捷性や瞬時の判断力、動体視力、予知推察力を駆使する点でやはりスポーツだと語る。
また、たとえば自動車ゲームなら、PC、コンソール、ハンドルなどデバイスをさまざまに工夫できる余地があり、多様性も確保できる。
「トッププレーヤーともなれば一日8時間も練習しており、その努力はアスリートと呼ぶに値します。また、シニア世代、女性、ハンディキャップを持つ人々もまったく同じ土俵で戦うことができる21世紀型スポーツともいえます」(平方氏)
世界では賞金総額25億円の大会も
eスポーツは大きな経済効果をもたらしており、市場規模は右肩上がりで成長を続ける。2016年時点で4.63億ドルの市場規模があるが、このうちアジアは23%にあたる1.06億ドルを占める。特に盛んなのは中国と韓国だ。eスポーツを観戦するオーディエンスの数になるとさらにアジアのシェアは大きくなり(44%)、その数は5800万人に上る。2019年には市場規模は11億ドルまで伸びると予測されている。
具体的にどのような大会が開催されているのか。すでに世界3大イベントというものが形成されていると平方氏は語る。最も大規模なのは「The International」で、「Dota2」という競技を行う。2017年大会の賞金総額は2478万ドル(約25億円)だった。
このほかに、賞金総額225万ドル(約2億5000万円)の「League of Legends World Championship」、賞金総額152万ドル(約1億7000万円)の「Call of duty World League Championship」が続く。『League of Legends』は、世界のゲームプレーヤー1億人の4分の3がプレイしていると推測される人気ゲームだ。
そのほかにも、ポーランドで開かれる「Intel Extreme Masters」という大会も、参加者17万3000人、経済効果は2200万ユーロ(約25億円)にのぼる。
「世界的には、eスポーツはキラーコンテンツであり、大きな経済効果を生むまでに成長している」(平方氏)
また海外はeスポーツ団体も活発に動いている。たとえば、2016年のリオデジャネイロオリンピックのときには、国際オリンピック委員会(IOC)を模した組織「International eGames Committee」(IEGC)が設立され、英国政府の支援のもと、ブラジルの英国大使館内でeスポーツ大会を開催した実績がある。2020年の東京五輪でも同様の大会を開催したい意向を持っているようだ。
【次ページ】ゲーム文化の違いと法の壁に阻まれ、出遅れた日本
関連コンテンツ
関連コンテンツ
PR
PR
PR
今すぐビジネス+IT会員にご登録ください。
すべて無料!今日から使える、仕事に役立つ情報満載!
-
ここでしか見られない
2万本超のオリジナル記事・動画・資料が見放題!
-
完全無料
登録料・月額料なし、完全無料で使い放題!
-
トレンドを聞いて学ぶ
年間1000本超の厳選セミナーに参加し放題!
-
興味関心のみ厳選
トピック(タグ)をフォローして自動収集!
投稿したコメントを
削除しますか?
あなたの投稿コメント編集
通報
報告が完了しました
必要な会員情報が不足しています。
必要な会員情報をすべてご登録いただくまでは、以下のサービスがご利用いただけません。
-
記事閲覧数の制限なし
-
[お気に入り]ボタンでの記事取り置き
-
タグフォロー
-
おすすめコンテンツの表示
詳細情報を入力して
会員限定機能を使いこなしましょう!
「」さんのブロックを解除しますか?
ブロックを解除するとお互いにフォローすることができるようになります。
ブロック
さんはあなたをフォローしたりあなたのコメントにいいねできなくなります。また、さんからの通知は表示されなくなります。
さんをブロックしますか?
ブロック
ブロックが完了しました
ブロック解除
ブロック解除が完了しました