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- 2023/04/11 掲載
ゲームセンター「大変革時代」、老舗が続々閉店…でも実は“成長市場”と言えるワケ
セガの牙城を崩した「ナムコ」のアキバ進出
2023年3月1日、ナムコ初の秋葉原出店となる「ナムコ秋葉原店」がオープンした。ここは、「GiGO(旧セガ)秋葉原4号館」(2022年9月閉店)があった場所だ。もともと秋葉原はセガのゲームセンターが多く、セガの牙城とも言われていた。だが、ゲームセンター運営を行うセガの子会社「セガ エンタテインメント」が2022年にGENDAの完全子会社となり、ゲームセンターのブランド名も「セガ」から「GiGO」に変更。これにより、セガはゲームセンター運営から撤退することとなった。
そして今回、セガが築き、GENDAに引き継がれた牙城をナムコが切り崩したことになる。
ちなみに当時は、GiGO秋葉原4号館を運営していたGENDA会長の片岡 尚氏によるツイートが話題となった。縦読みすると「なむこゆるすまじ」と読めるからだ。
なぜみんな
— 片岡 尚 / GENDA会長 (@GENDA_Kataoka) August 12, 2022
無理してまでも
ここに集まったのか
ゆるやかに流れる時の中で
ルールに縛られず
好きな仲間と
まるで今だけの
自由を戯れるように#GiGO #秋葉原 pic.twitter.com/FRFxurnRNM
とは言え、万世橋交差点角のシンボル的施設「セガ秋葉原2号館」も2020年8月に閉店している。今後、一部がGiGOとして営業する予定だ。
「店舗数は減少、市場規模は拡大」という不思議
新型コロナの感染が拡大してからの3年間、セガやGiGOのように都内の大型繁華街では老舗ゲームセンターの閉店が相次いだ。たとえば秋葉原駅前の「アドアーズ秋葉原店」、新宿歌舞伎町の「新宿プレイランドカーニバル」、池袋サンシャイン60通りの「シルクハット池袋」、「セガ 池袋GiGO」などがそうだ。この傾向は統計調査にも表れている。日本アミューズメント産業協会(JAIA)の実施している「アミューズメント産業界の実態調査報告書」によれば、ゲームセンターなどのアミューズメント施設の数は減少の一途をたどっている(図1)。
2020年度に至っては2019年度から18.1%減と大幅に縮小。ゲームセンターの減少はコロナ禍以前からあった傾向だが、コロナ禍がさらに加速させた感がある。
その一方でナムコのように新店オープンも見られ、さらに異業種からの参入もある。パチンコホールを運営するマルハンは、2022年12月に自社の「マルハン新宿店」があった場所に、「ME TOKYO SHINJUKU」をオープンした。
実は市場規模で見てみると、2020年度はコロナ禍による臨時休業などで減少したものの、2015年度以降は増加傾向にあったことがわかる(図2)。
店舗数は減少しつつも市場規模は拡大している、という一見矛盾しているような不思議な状態にある。いったい、ゲームセンター業界で何が起きているのだろうか?
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