家庭用ゲーム機Xboxの発売元であるマイクロソフトが、Call of Dutyなどで有名なゲームソフト開発会社のアクティビジョン・ブリザードを買収すると発表してから約1年7カ月が経過した。独占禁止法違反の疑いが懸念されていたが、各国当局の審査や反トラスト裁判を経て、いよいよ買収承認の可能性が高まってきた。687億ドル(約10兆円)の巨額買収が正式に完了した後、ゲーム業界の勢力図はどう変わるのか。ライバルでPlayStationを提供するソニーはどう動くのか。マイクロソフトの真の狙いとともに、ゲーム業界の近未来をひも解いていく。
これを受けてマイクロソフトは、矢継ぎ早に動いた。同社のアクティビジョン買収に一貫して反対してきたソニーと、「拘束力のある合意」を結んだ、と7月16日に発表した。これにより、アクティビジョンの看板ゲームタイトルであるCall of Dutyの買い切り型ゲームソフトを10年間、PlayStation向けに提供する。
マイクロソフトは2月にも、Call of Dutyのリリースと同時に任天堂のゲーム機(次期Switch)向けに買い切り型ゲームソフトを提供する、という10年間の拘束力のある契約を任天堂と締結した。これらの動きに見られるように、独占禁止法違反の疑いに対する外堀を埋めてきた。