- 会員限定
- 2023/01/11 掲載
ソニー・スクエニ・エピックはNFTやWeb3を加速、ゲーム業界で起きている「温度差」
水面下で進むゲーム主要企業の動き
暗号通貨、NFT市場の低迷により、メインストリートメディアでのNFT関連報道は少なくなっているが、水面下では着々と大手企業による取り組みが進められている。2022年11月には、ソニーが公開した特許情報に注目が集まった。この特許は「Tracking Unique In-Game Digital Assets Using Tokens on a Distributed Ledger」と呼ばれるもので、プレイステーションでブロックチェーンを活用して、ゲーム内のデジタルアセットをトラッキングする技術。この特許情報の発表を受け、暗号通貨/ゲームメディア界隈では、ゲーム内でNFT利用が始まるのではないかとの憶測が流れ始めている。
この特許では、デジタルアセットの種類として、ゲームプレイ中の画面、ゲームアイテム、そしてキャラクターなどが対象になる。
ソニーのほか、スクウェア・エニックス(スクエニ)が「ブロックチェーン・エンタテイメント」領域の推進施策を大々的にうたうなど(詳細は後述)、ゲーム大手企業の取り組みが相次いでいる。
これまでPCゲームプラットフォームのSTEAMでブロックチェーンやNFTの利用が禁止されたほか、2022年7月にマイクロソフト傘下のMojang StudiosがマインクラフトでのNFTを禁止する方針を発表しており、既存のゲーム大手企業は、ブロックチェーンやNFTの導入に消極的・否定的というイメージが強まっていたところ。
ソニー、スクエニだけでなく、エピック・ゲームズでもWeb3への取り組みが活発化しており、消極派と積極派の温度差は拡大の一途となっている。
プレイステーション内でNFT導入? ソニーの動向
Eurogamerは2022年11月15日、世界知的所有権機関(WIPO)の情報をもとに、ソニーがブロックチェーンを活用し、ゲーム内でデジタルアセットをトラッキングする技術の特許を公開したと報じた。WIPOのデータによると、この特許のタイトルは「Tracking Unique In-Game Digital Assets Using Tokens on a Distributed Ledger」で、2021年5月7日に申請され、2022年11月10日に公開された。文字どおり、ディストリビューテッド・レッジャー上で発行したトークンをユニークなデジタルアセットとしてゲーム内でトラッキングする技術だ。
この情報だけをとってみると、特許というだけで、ソニーが実際にプレイステーション内でNFTを導入するのかどうかは分からないところだが、同社の最近の取り組みを鑑みれば、プレイステーション内でNFTが導入される見込みはかなり高いと考えられる。
その取り組みの1つが「PlayStation Stars」プログラムだ。これは、ゲーム内でユニークな「デジタルコレクティブルズ(digital collectibles)」とリワードを獲得できるもの。
NFTを指す言葉として利用される「digital collectibles」が利用されており、NFTを意識した取り組みであることは明らかだ。ただし、このプログラム自体は、ブロックチェーン技術を使ったものではなく、ソニーも同プログラムは「NFTではない」と言明している。
また、2022年8月にラスベガスで開催された格闘ゲームイベント「Evo2022」では、参加者らに対し、プレイステーションからNFTに関する意識調査が実施されていたことが報じられている。
IGNによると、プレイステーションの意識調査では、どのようなゲーム関連NFTに関心があるのかという質問がなされ、回答として「EVOブランド」「お気に入りのミュージシャン」「お気に入りのeスポーツプレイヤー/チーム」「プレイステーション関連アイテム」「お気に入りのゲームキャラクター」といった選択肢が列挙されていた。
【次ページ】スクエニもNFT/ブロックチェーンの取り組み・投資を拡大
関連コンテンツ
関連コンテンツ
PR
PR
PR
今すぐビジネス+IT会員にご登録ください。
すべて無料!今日から使える、仕事に役立つ情報満載!
-
ここでしか見られない
2万本超のオリジナル記事・動画・資料が見放題!
-
完全無料
登録料・月額料なし、完全無料で使い放題!
-
トレンドを聞いて学ぶ
年間1000本超の厳選セミナーに参加し放題!
-
興味関心のみ厳選
トピック(タグ)をフォローして自動収集!