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- 2016/10/18 掲載
「家電会議」という名前で大丈夫なのか、ソニーとはてなに聞いてみた
ソニー×はてな「家電会議」インタビュー(後編)
「家電会議」というサービス名はサラッとOKが出た
──ソニーが「家電」を謳うサービスを始めるのは、なかなか思い切った決断のように感じます。「家電会議」というサービス名になったのはどういう経緯ですか?石田氏:サービス名自体は、我々はてなからの提案です。ソニーさんから「家電」というキーワードは出しにくいだろうと思っていました。やはりブランド力のあるメーカーさんなので、「家電」という枠組みを前に出すことはすごく勇気が必要だろうと。まあ、せっかく一緒にやる以上、そういうことを提案するのは我々の役割だと思っていました。
サラッとOKが出て、逆にびっくりしましたが(笑)。
──海外展開も見据えていらっしゃる(前編参照)とのことでしたが、海外でもそのままで?
上木氏:まあ、海外展開のときは、名前を変えると思います(笑)。日本版の方も、最初は英語というか、流行のカタカナ名の候補もありました。しかし最終的には、多くの人にわかりやすい「家電会議」と言うストレートな名前に決めました。
──サービスロゴも力の抜けた感じというか、暖かみがありますよね。家族会議を連想させるような。
石田氏:これは後付けになりますが、やはり家電を買うのは家族ですから。家族で家電会議、家族会議で家電と言う感じで、言い回しも便利だなと。サービスを作っていく上で、ワーディングは大事だなと思いました。
はてなと「家電会議」は競合する?
──個人ブログの記事もキュレーションされているのが面白いですね。石田氏:ありがとうございます。バックエンドははてなが開発し、「はてなブックマーク」とかなり結合した形になっています。提携している大手メディアの記事はもちろんですが、個人ブロガーの記事もフラットに集まってくるので、ユーザーニーズにあった記事ラインアップになると思います。
上木氏:これらの記事はユーザーによる「vote(投票)」によっても重み付けが判断されますので、「家電会議」のコミュニティらしさが出てほしいと期待しています。
──はてなユーザーと家電好きは、重なるところがあるのでしょうか?
石田氏:はい、かなり。逆に30代で家電好きを見つけようとしたときに、一番見つけやすいプラットフォームだと思っているぐらいです(笑)。たとえばオタク系のユーザーを集めるなら「ハッカドール(Hackadoll)」、ビジネスマンなら「NewsPicks」でしょうが、ガジェットやプロダクトでははてなが有望だと思っています。とはいえ苦手な家電分野もあるので、それはソニーと組むことで、より強化できると思います。
──だとすると、競合するのでは? プロダクトやガジェット好きのはてなユーザーが、「家電会議」に流れてしまうのではないでしょうか。
石田氏:一番あり得るパターンで、かつ理想的なのは両方使っていただくというものです。もちろん、一部の方は「家電会議」しか使わなくなるかもしれませんが、それを他社にやられるよりは、一緒にやらせてもらったほうが、自分たちも面白いでしょう。
あとは、両社が食い合うこと自体、そこまで否定的ではありません。はてなもコミュニティとして大きくなりつつあるので、食い合いを恐れていると、新しいことに取り組めませんので。分離したいわけではないですが、大きくなるほどコミュニティの味が薄まってしまうので、適切にコミュニティを楽しめるサイズがあると考えています。
【次ページ】 ソニー×はてなの異文化交流の結果は? 海外展開の時期は?
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