- 2016/08/24 掲載
2020年国内パブリッククラウド市場は7300億円超、以降もAPIエコノミーで成長
2020年の市場規模は、2015年から2.7倍の7,346億円に
現在の国内パブリッククラウドサービス市場は、既存のIT・ビジネスの効率化に対する企業の期待が成長をけん引している。また、デジタルトランスフォーメーション(DX:Digital Transformation)に対する企業の注目度は高まっており、DXを支えるIT基盤としてパブリッククラウドサービスの利用が増加することが見込まれている。同社によれば、今後の国内パブリッククラウドサービス市場の成長を促進するのは「IT・ビジネスの効率化」と「ビジネス変革」の2つだとしている。
一般的に新興市場では、製品・サービスの普及が進み、市場規模が拡大すると前年比成長率は「鈍化傾向(右肩下がり)」となる。ストック型ビジネスであるパブリッククラウドサービスはフロー型の製品・サービスとは異なる推移となるが、国内パブリッククラウドサービス市場は成長鈍化を乗り越え、新たな成長期を迎えようとしていると指摘した。
パブリッククラウド市場は2021年以降も成長の可能性あり?
そのいくつかの理由として、同市場は「効率化」と「変革」といった2つの成長エンジンを備えており、その一つだけでも強い促進力を有していること。また、効率化と変革は互いに強い影響を与えるようになり、これらの2つが連携することによって、これまで以上の大きな成長が見込まれることを挙げた。
さらには、企業内外を問わず多様なシステム・サービスが連携し、高いビジネス価値を創出する「API(Application Programming Interface)エコノミー」が形成されることにも言及。APIエコノミーはこれまでとは異なる新しいIT市場を創出し、国内パブリッククラウドサービス市場の成長を加速させるとした。
またIDC Japanでは、現在、多くのベンダーはクラウド・DX事業の推進施策として、ユーザー企業との「共創」を重要なテーマとして掲げていることも指摘している。
IDC Japan ITサービス リサーチディレクターの松本聡 氏は「共創ではユーザー企業とベンダーの『強み/良い面/特徴』の足し算だけではなく、ビジョンやリスクを共有する必要がある。特に、『絶対的な正解』がないDXにおいては、リスクを共有するといった姿勢が、信頼されるパートナーの必須条件となるであろう」と、分析している。
今回の発表はIDCが発行したレポート「国内パブリッククラウドサービス市場予測アップデート、2016年~2020年」(JPJ40591416)にその詳細が報告されている。
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