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グーグルは3月23日から24日の2日間にわたって、クラウド関連のイベント「GCP Next 2016」を米サンフランシスコで開催した。同社は、2015年単年で約100億ドルを投じており、クラウド事業のトップをつとめるVMware共同創業者のダイアナ・グリーン氏が中心になって、エンタープライズ向けクラウドビジネスで攻勢を強めている。
大企業の導入事例を次々とアピール
グリーン氏によれば、同社のパブリッククラウドサービス「Google Cloud Platform」を強化するため、2017年までに数十億ドルを新たに投じ、日本を含む世界の10数カ所にデータセンターを敷設する計画だという。
なお、ライバルのアマゾン(AWS)のデータセンターは12リージョン、マイクロソフト(Azure)は22リージョンで展開しており、早期にこれを追いかけていく考えだ。
今回のイベントで特に関係者を驚かせたのは、アマゾン(AWS)最大の顧客であるNetflix(ネットフリックス)が登壇したこと。ネットフリックスは、2月に動画ストリーミングサービス関連のシステムをAWSに移行したばかりだが、Google Cloud Platformのユーザーでもあることをアピールした。
さらにグーグルは、ディズニー傘下のDisney Consumer Products and Interactive Media(DCPI)、コカ・コーラといった大企業が同社の新たな顧客になったことを宣言。数ヶ月前には、音楽ストリーミングのSpotify(スポティファイ)やアップルでも一部導入が進んでいるとされたほか、小売業として全米4位のホーム・デポが利用を開始したと
報じられている 。
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機能面でも企業向けを意識
イベントでは機能の面でも、エンタープライズを意識した内容になった。オープンソース化したマシンラーニングソフト「TensorFlow」ベースの「Cloud Machine Learning」や、アプリなどに80か国以上の言語について音声認識機能を付与できる「Cloud Speech API」などをプレビュー版としてローンチ。
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目新しい機能だけでなく、SDN(NFV)ベースのネットワーク仮想化基盤「Google Cloud Router(旧Andromeda)」、クラウド型のCDNサービス「Google Cloud CDN」を改めて発表。エンジニアにとって“退屈な”作業になることも多い、監査ログ管理、ID・アクセス管理(IAM)機能などを統合した「Google Stackdriver」が追加されたほか、ストレージ向けセキュリティ機能も強化されている。
ただし、これらの機能はすでにアマゾンやマイクロソフトも取り組んでいること。どこで差別化を図るのかというときに、グリーン氏やシュミット氏らが至った結論は「自動化」だ。グーグルのデータセンターやクラウドサービスは、
WebスケールIT と呼ばれ、ずば抜けて電力効率が高いことで知られている(PUEは1.07、なお理論上1を下回ることはない)。これをさらに進めて、アプリケーションエンジニアがインフラを一切気にしなくてもよい環境を作り出すという。グリーン氏はこれを「It magically happens.(魔法のように起こる)」と表現している。
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