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- 2015/10/02 掲載
ソニーのデジタル一眼カメラ「α」に学ぶ、なぜ購入後のマーケティングを重視すべきか
体験価値誘導に注力するソニーマーケティング
ソニーマーケティング 代表取締役 河野 弘氏によると、ソニーのマーケティング戦略や手法は、旧来のスペック中心の価値ではなく、商品の使用から得られる体験価値を顧客に伝えていく方向へシフトしているという。「広告費に占めるWeb媒体の割合は、2009年には11%であったものが、2014年は41%を占めている。ターゲット顧客のカスタマージャーニーに最適な媒体が多様化しているためだ」
そうした状況下で、同社が注力しているのが、“行動履歴型”のCRMだ。河野氏は次のように続ける。
「購入前のマーケティングとして最近注力しているのが、顧客のWeb閲覧履歴から、最新の興味を絞り込み、そこに対して情報をプッシュするという手法だ。マーケティング・オートメーション(MA)を導入し、2012年の実績では、オファーメールの開封率が55%、サイト誘因のCTRが22%、商品購入のコンバージョンが6%という数値を示している」
一方、購入段階でのアクションとしては、O2O(オンラインからオフラインへ)施策として「体験価値への誘導」が挙げられる。
「ハイレゾ ウォークマン購入者の51%は店頭で聞いて購入に至っているという数字がある。例えば、4Kテレビの美しい映像、デジタル一眼カメラ『α』の高速連写、手振れ補正性能など、実際に体験することで”興味“が”購買行動“に進展することになると考えている」
そして、ソニーが一番大切なプロセスと位置づけるのが、購入後のアクションだ。3カ月に3回(以上)のコンタクトを掲げる「P3」と呼ばれるCRMアクションでは、購入した商品を使いこなすための情報提供やサポートを提供する。
「商品の使用頻度を上げることが、周辺商品購入というクロスセル、上位機種購入というアップセルに繋がると考えている。例えば『α』では、高度なユーザーから初心者まで、レベルに応じた多様なコンテンツをメールで配信しており、Webサイトへの誘因率は、一般的なメルマガが1.3%程度なのに対し、P3メールは32%を示している」
αの事例では、P3プロセスの後半において、ソニーが運営するコミュニケーションサイト「αCafe」への誘引を行っている。写真の投稿や共有、コミュニティグループの運営、撮影イベント等のリアルの体験会の案内など、ファンのつながりと拡大を狙った施策だ。
「購入後の顧客のアクションを評価する指標に顧客生涯価値(ライフタイムバリュー:LTV)があるが、購入時点のLTVを1とすると、顧客が購入後に使った金額は、各施策別に、P3が3.85、αCafeが5.24、リアルの体験会は5.34を示している。今後も、ソニーは、デジタルマーケティングを最大限活用し、リアルと連動してソニーファンを創造していく」
【次ページ】ANAが構築したトリプルメディア体制
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