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- 2015/04/20 掲載
IoTやウェアラブル通じたデジタルマーケティング、活用のための3つのポイントとは

IoT活用で重要な3つのポイント
──IoTやウェアラブルデバイスを通じて顧客体験を向上させるデジタルマーケティング・ソリューションを発表しました。これらのソリューションは従来と比較し、どのような可能性を持っているのでしょうか。スターク氏:IoTやウェアラブルデバイスは、24時間身に付けているものです。ですから、ユーザーが意識することなくデータがクラウド上に収集されます。たとえば、アクティビティやエクササイズのデータを収集するウェアラブルデバイスから収集されるデータは、「ユーザーの健康体験をよくするためのデータ」としては第一級です。
もちろん、ウェアラブルデバイスは大きさやスクリーンサイズに制限がありますから、スマートフォンのように専用アプリを(デバイスに)インストールしてそこから情報を引き出すといった使い方は難しいでしょう。しかし、こうしたデバイスは、Webアプリと連携していますから、(Webアプリのほうで)パーソナライズされた顧客体験を提供できるのです。
──新たに提供される「IoT SDK(Software Development Kit:ソフトウェア開発キット)」で、企業はさまざまなデバイスからのデータを収集/分析することが可能になりました。こうしたデータから導き出される「パーソナライズされた顧客体験」は、将来的にどのようなサービスに発展すると考えていますか。
スターク氏:IoTデータのデジタルマーケティング利活用は始まったばかりで、実験段階のものも多いです。現在は、「技術的にできることは何か」と「その技術を使って提供するサービスが、企業と顧客の双方に価値を生み出すものなのか」を模索している状況です。
IoTで重要なポイントは3つあります。1つ目は「インタラクティブ」であることです。今回われわれは、コンテンツをスクリーン上でインタラクティブにやり取りできる「Adobe Experience Manager Screens」をリリースしました。しかし、単に(デジタルサイネージなどに)決まった情報を表示させるためだけに使うのであれば、従来の電子広告と同じです。
2つ目は「顧客の体験をさらに向上させる」ことです。たとえば、スターウッドホテル&リゾートの取り組みは、その最たるモノでしょう。この取り組みは、ホテルの部屋を、「お客さまがいちばん快適」だと感じられるようIoTを使ってコントロールするものです。こうした取り組みは、お客あsまが「(自分にとって)有益だ。おもしろい」と感じてくださるのであれば、成功事例といえるでしょう。
IoTは、デバイス同士が通信しますから、いままでは考えられなかったサービスを提供できます。たとえば、ホテルにレイトチェックインするお客さまから、「到着と同時にルームサービスがほしい」とのリクエストがあったとしましょう。その場合、お客さまが身につけているGPS搭載のウェアラブルデバイスとルームサービス側のアプリが連携していれば、到着時刻が正確に把握できます。そうすれば、オンタイムでサービスが可能になるのです。
3つ目は、「リアル(物理)とデジタルの融合」です。代表的な例は、ブティック店内のスクリーンを使って自分のサイズに合ったウェアを注文したり、(購入を決めた商品の)コーディネートを提案したりといった使い方が考えられます。こうした使い方は、店員の仕事を奪うのではなく、接客アシスタント的な役割を果たすと考えています。
【次ページ】リアルとデジタルを融合させるコツは何か
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