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- 2015/02/06 掲載
堀江 貴文氏が語るIoT時代のイノベーション スマートロボットで世の中は変わるのか?
消費者のニーズのないスマートロボットに未来はない
「これまでのコミュニケーションロボットは、音声認識や画像処理の技術が熟成したことで、いわばコミュニケ―ション技術を内在化させる方向で開発が進められてきた。その一方で、新しいスマートロボットはIoT(Internet of Things)とクラウドコンピューティングの力をフルに活用する形での展開が可能になるだろう」(久保田氏)
スマートロボットは、IoTとクラウドによって、ロボット内部の機能を外部のクラウド側に出して、ロボット本体をデザイン性を含めて洗練したものにつくり変えられる可能性を秘めているということ。かつて2000年代の始め頃に、ロボット業界ではネットワークロボットが流行したことがあった。しかし当時は、まだ通信回線もそれほど速くなく、クラウドも未成熟な時代であったため、その後フェードアウトしてしまった。
久保田氏は「いよいよクラウド上でも音声・画像認識が高速処理できるようになってきたため、ロボット開発者はソフトウェアよりもハードウェアに力を注げるようになった。その環境をDMM.make ROBOTSがプロットフォームとして提供することで、より独創的なスマートロボットを多くの技術者とともに共創できる環境が整うだろう」と期待を寄せた。
堀江氏「注目すべき技術はテレイグジスタンス」
開口一番、SNSファウンダーのホリエモンこと堀江 貴文氏が「ぶっちゃけ、スマートロボットによって世の中が変わるのだろうか?確かにスマートフォンの登場で、高性能なCPUやメモリが安く手に入るようになり、ロボット開発も容易になった。しかし、Google Glassと同じで、本当に何に使えるのか明確な用途が分からないし、一般消費者のニーズも見えてこない。たとえロボットの形をしていなくても、ルンバのほうが実用性があるではないだろうか?」と疑問と呈し、スマートロボットの未来は厳しいという見解を示した。
辛辣な意見を重ねた堀江氏はむしろ「遠隔臨場感を実現する『テレイグジスタンス』については期待している。それが(スマートロボットの)キーワードになるのでは?」と述べた。同氏がテレイグジスタンスの活用事例として挙げたのが、Double Robotics社のロボットだ。
先日、電通らが大阪大学・石黒浩教授の監修のもとに、タレントのマツコ・デラックスをモデルにしたヒューマノイド「マツコロイド」を開発した。堀江氏は「精巧な自分の顔をPepperに付けた『ホリエロイド』ならば欲しい。タクシーに乗って、いろいろな場所の会議に出かけられる。要は明確な用途があればロボットは売れるし、ちゃんと使われる。用途をいかに見つけられるかという点が、スマートロボットの視点に必要だと思う」と冷静に分析した。
これを受けて久保田氏は「テレイグジスタンスは、テレプレゼンスとも関係するものだ。重要な点は、そのロボットの向こう側に本人が見えるかどうかということ。そういう意味では、完全自律というよりも半自律という位置づけになる。自分の知的な部分は遠隔地にあり、体躯の部分が現地で“分身”として動く。それが未来のスマートロボットの活用法のひとつになるかもしれない」と付け加えた。
【次ページ】堀江氏「ドローンは広義の意味でロボット、自分もやりたい」
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