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  • 2025/04/02 掲載

「戸建てより安い」は大間違い?分譲マンション「暗黒期」がこの先不可避のワケ

連載:どうなる? これからの日本の不動産

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1棟のマンションを居住者が区分所有する「分譲マンション」。戸建てよりも「割安」というイメージも強く、住居購入の際は真っ先に挙がる選択肢の1つと言えるだろう。しかし実は、昨今の経済情勢などの変化により、分譲マンションは必ずしも割安な選択肢とは言えなくなりつつある。始まりつつある分譲マンション「暗黒期」には何が起きるのか。変化が生じた背景とともに解説する。
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分譲マンション「暗黒期」について解説する
(Photo/Shutterstock.com)

建築コスト「爆上がり」の背景

 2025年3月、東京都中野区のシンボル的存在である「中野サンプラザ」の再開発計画が白紙に戻されたとの報道が流れ、建設と不動産の両業界に衝撃が走った。

 「そこまでいってしまったのか…」。両業界の多くの関係者はそんな風に感じたはずだ。

 計画が白紙に戻された理由は、建築コストとされている。報道によると総事業費は2,639億円を見込んでいたが、工事を請け負う予定だった清水建設は2024年、資材費の高騰などを理由に事業費が900億円超上振れする見積もりを示したという。当初予定の1.34倍である。

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中野サンプラザの再開発計画では、建築コストがネックになっている
(写真:マリンプレスジャパン/アフロ)

 建築コストは、ここ数年でうなぎ登りに高騰した。筆者が身近に接しているマンション業界の感覚だと、コロナ前と比較して建築費は1.5倍くらいの値上がりであろうか。

 原因の第一は人手不足だ。さらには円安による建築資材費の高騰や昨年春から始まった建設業などへの残業規制が追い打ちをかけた。

 そのせいか、市場に供給される新築マンションの戸数も減少し続けている。2025年2月に不動産経済研究所が公表した「新築分譲マンション市場動向」によると、2024年の全国での新築マンションの発売は前年比 8.6%減の5万9,467戸。4年ぶりの6万戸割れとなった。

建設コスト上昇で「大ダメージ」の団体とは

 マンション業界にとって、この建築コストの上昇は何とも頭の痛い問題である。

 しかし、マンション業界以上に建築コスト上昇で深刻な打撃を受ける団体がある。それは、すでに日本社会に存在している既存分譲マンションの管理組合たちだ。

 鉄筋コンクリート造、という工法で建築されているマンションという住形態は、耐震性や耐火性が高いことで知られている。しかし、いくら耐久性が高くても、築年数を経るに従い少しずつ進行する建物の劣化は免れない。

 この劣化を食い止めるためには、適切な補修・修繕工事を施していく必要がある。そして当然、その工事にはそれなりの費用がかかる。

 補修・修繕工事はもちろん「建築コスト」というカテゴリーに属する。つまり、近年著しく高騰して中野サンプラザの再開発を白紙へと戻させた費用と、広義には同じカテゴリーのコストなのだ。

 多くの分譲マンションの管理組合では、十数年に1度の割合で「大規模修繕」と称される工事を実施している。建物を囲むように足場を組み、外壁などを補修する工事の様子を目にしたことがある人も多いのではないだろうか。

 大規模修繕では、外壁に留まらず、屋上では防水機能を修繕・補修する工事が欠かせない。経年劣化した上下水道管を取り換える工事も必要だ。あるいは、新たなセキュリティシステムを導入するような工事も、最近ではよく行われている。さらには約30年くらいに1度はエレベーターも設備更新する必要が出てくるだろう。

 このほか共用施設のメンテナンスにも、それなりの手間と費用がかかる。スポーツ用のトレーニング器具は数年で更新されることが一般的であるし、東京の湾岸エリアに立地する物件にありがちなプールや大浴場のメンテナンスや設備更新には、莫大な費用が発生しがちだ。 【次ページ】なぜマンションの修繕計画は「机上の空論」になりがちなのか
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