- 会員限定
- 2025/04/23 掲載
シンニーア(シニア+新NISA)とは?「60歳以上」で始める投資はホントに意味ある?
シンニーア(シニア+新NISA)とは?
2024年1月に「少額投資非課税制度」が刷新された。非課税上限額が拡大され、非課税期間が無期限となり「新NISA」と呼ばれるようになった。それを機に投資を始めた人も多いと思うが、近頃のトランプ米大統領の政策によって、世界規模で株式市場が混乱しているため、資産に余裕のある人や以前から投資を続けてきた人ならいざ知らず、身のすくむ思いをしている人も多いことだろう。
最近では「シンニーア」という言葉も聞かれる。これは「シニア+新NISA」で、シニアによる積極的な新NISAの活用を表す造語とのことだ。その正確な初出は分からないが、2024年末の「2024-2025ハルメク シニアトレンド」で発表されたトレンドの中に含まれていた言葉である。
今回は、シニアの新NISA活用「シンニーア」が、現在の市場の混乱を経てもなお、本当にシニアにプラスとなるのかを考える。
本当にシニアは新NISAを活用しているのか?
さて、いきなり身も蓋もないことを言うが、筆者はそもそも「シンニーア」の実態は、イメージとか乖離があると思っている。「シニアも積極的に新NISAを活用するようになった」と聞くと、それまで若手ばかりが投資していたものが、シニアの投資が若手と同じくらい増えているようにイメージできるが、金融庁が公表しているNISAの利用状況調査から年代別のNISA口座数やその割合の推移を見ると、新NISAスタート後の60代以上の口座数の割合はそう多くない。
むしろ、新NISAになる前、NISAが登場した直後のほうが、60歳代・70歳代の割合が非常に大きかった。そこから60歳代・70歳代は大きく減少していき、新NISAスタート後も、20歳代と比べれば同等か少し多い程度で、30歳代・40歳代には大きく及ばない。
とはいえ、50歳代に限ればNISA口座数は40歳代と並びトップクラスの割合で、新規の口座開設の伸び率も20歳代に次いで高い水準となっている。50歳代をシニアと呼ぶのであれば、積極的に活用されている、との解釈もできる。 【次ページ】「60歳以上」の新NISA活用、意味はある?
関連コンテンツ
PR
PR
PR