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- 2024/01/26 掲載
「外貨定期預金」は本当に儲かる? デメリットは?5つのケース別でわかった衝撃の結果
外貨定期預金の金利が上昇している
外貨定期預金とは、日本円を米ドルやユーロなど海外のお金に替えて、一定期間預金することを指す。近年はとくに、外貨定期預金の金利が顕著に上昇している傾向が見られる。たとえば三井住友銀行は2023年9月25日、提供している金融商品である「パーソナル外貨定期預金(米ドル)」の金利を年率0.01%から5.3%へ大幅に引き上げた。
ネット銀行も同様に高金利で提供しており、住信SBIネット銀行の米ドルの金利は5%を超えている。次の図表を見ると、日本円の定期預金の金利はたった0.2%なのに対して、外貨定期預金の金利はいずれも1%を上回っているのが分かる。
【定期預金の金利を比較】 | |
通貨 | 年間金利 |
米ドル | 5.00% |
ユーロ | 2.90% |
英ポンド | 3.90% |
豪ドル | 4.10% |
NZドル | 5.10% |
カナダドル | 4.10% |
スイスフラン | 1.10% |
日本円 | 0.20% |
(出典:住信SBIネット銀行、2024年1月9日時点、預金期間は1年、いずれもランクが最低の1の場合) |
金利が高いほど得られる利息額は大きくなる。また現在は預入期間が1年以内であれば、1年に近いほど金利は高くなる。株式の運用でも利回り5%は困難であり、現在の外貨定期預金の金利水準は投資家にとって、魅力的な金融商品のひとつだと言えるだろう。
さらに為替レートは日々変動しているため、外貨を買った時点からレートが上がれば、売るときに利益を得られることもある。もし1米ドル=100円の時点で10万円を使って1,000米ドルを買ったとしよう。その後に1米ドル=110円に上昇した時点で売却すれば110×1,000=11万円となり、1万円分儲かるというメリット(為替差益)への期待もある。
外貨定期預金に潜むリスクは数多くある
しかし、外貨定期預金を利用する際には、いくつかの重要な点に注意が必要だ。まずは為替変動リスク。外貨を購入した後に円安になればさらなる利益を得られるが、反対に円高になることもある。たとえば、1米ドル=100円のときに1,000米ドルを購入し、その後で1米ドル=90円になれば90×1,000=9万円となるので、1万円の損失を出してしまう。
すなわち、外貨定期預金は高い利息が強みであるが、為替変動による損失が利益を上回る危険性も考慮しなければならない。この点、日本円での定期預金は元本を下回ることがないのとは対照的だ。
為替の動きを予想するのは投資のプロでも難しい。投資経験の浅い方が外貨定期預金に手を出す場合は、こうした円高リスクがある点に注意したい。
外貨定期預金で必ず考慮すべきコストとは?
為替手数料が発生する点も、外貨定期預金を行ううえで考慮すべきである。為替手数料とは、日本円を外貨に替えるときにかかる「両替手数料」のようなもの。海外旅行へ行く前に、日本円を米ドルやユーロなどの外貨に両替するときも手数料が発生するだろう。外貨定期預金でも同様に外貨に替えたり、反対に日本円に戻したりするときに、為替手数料という名の両替手数料を払わなければならない。
外貨定期預金の為替手数料は金融機関によって異なる。たとえば三井住友銀行では、米ドルの外貨定期預金の為替手数料はインターネット・モバイルバンキングの場合で、1通貨あたり0.5円である。
もし1米ドル=100円であれば、実質的な為替レートは100.5円。1,000米ドルを買うなら、為替手数料は1,000×0.5=500円だ。売るときも同様に手数料の負担があるため、往復で1,000円となる。
外貨預金は取引する通貨の量が多いと受け取れる利息が増えるケースはあるが、その分だけ為替手数料も高くなる点を押さえておこう。
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