- 2013/06/05 掲載
アマゾン、HPC向けAmazon EC2のCC2、CR1を東京で開始 「39年の開発を11時間に」

1つは、Amazon EC2のCluster Compute Eight Extra Large(クラスターコンピュート エイト エクストラ ラージ: CC2)。これは、高いCPU性能を持ち、広帯域幅で低レイテンシ、双方向ネットワークでインスタンスを稼働できるクラスターで、ゲノム解析や大規模SAP導入、その他要件の厳しいネットワークバウンドアプリケーションといったHPCアプリケーションに最適という。
もう1つは、Amazon EC2 のHigh Memory Cluster Instance (ハイメモリ クラスタ インスタンス: CR1)。これは、一つのインスタンスに巨大なメモリや、分散メモリ型アーキテクチャを必要とするアプリケーション向けとなる。CR1は高性能データベースや分散メモリキャッシュなどのメモリ集約型アプリケーションや、大学や研究所などで利用される実時間解析やインメモリ分析など、メモリ集約型のアプリケーション用に設計されているという。
CC2が提供される以前は、先進的なHPCアプリケーションを利用する組織は専用かつ目的に応じたハードウェアを事前に購入する必要があった。ただ、HPCには高性能なCPUや大容量メモリが必要とされる場合が多いため、高価なシステムを購入することができず、プロジェクトを断念する場合や共有リソースを使うために長期間待機するといったことが発生していたという。これにより研究におけるイノベーションが遅れたり、主導権を失ったりするという問題があった。
今回2つのクラスターインスタンスが東京リージョンで提供開始されることで、日本における企業や研究所は事前投資がいらず、必要な時にいつでも、使った分だけ、柔軟にスケールアップおよびダウンが可能なHPCインフラストラクチャ―が利用できるようになる。
HPCアプリケーションを多く利用している大学や研究機関は、2013年4月にAWSの東京リージョンとピアリングされたSINETを活用して、CC2とCR1をより低遅延かつ高速なネットワーク経由で利用できる。これにより、日本における研究者は、重要な研究プロジェクトのために低いネットワークコストでAWSクラウドにさらに早くアクセスできるという。
また、SAP HANA Oneが稼働可能なAmazon EC2のHPCクラスターは、日本企業のビジネス基盤やHANAベースのアプリケーションなど、インメモリ処理やデータ分析処理向けの高性能システムとして最適なプラットフォームとなる。
アマゾン データ サービス ジャパン 代表取締役社長の長崎 忠雄氏は「2種類のHPC向けクラスターインスタンスが東京リージョンで提供開始されたことで、AWSは多くの開発者、企業、学術研究所などが、以前はできなかった大規模なHPCプロジェクトを低価格に稼働させる、新たな環境を提供できる。」との声明を発表している。
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