- 2024/10/04 掲載
「あいまい」「なあなあ」はヤバすぎ、組織を伸ばす「バックオフィス」の目標設定(2/2)
【すぐ使える】総務/広報/人事の「定量的な目標」の具体例
たとえば、総務担当なら下記のような形が考えられます。- すべての顧客情報の入力を契約後1週間以内にミスなく完了させる
- 業務改善提案を行い、上長の承認を1件得る
- タスク期限順守率90%を達成する
3つ目の「タスク期限順守率」とは、唐突に生まれる仕事の対応が多い総務を評価するのにとても便利な指標です。
たとえば、「この見積書を今日の16時までに作成して提出してください」という依頼に対し、しっかりと期限を守れたかで判断します。もちろん、予定があって難しければその事情を説明し、依頼者が再設定する期日に間に合えば可とします。
広報・マーケティング担当なら、下記のような指標にします。
- 自社ホームページ・メディアのPV数60万を達成する
- Webを通じた集客を60件達成する
- チラシを通じた集客を60件達成する
人事であれば、次の通りです。なお、採用する人材の質については、「自社で用意する適性検査で一定以上のスコアを獲得する」といった条件設定をしておきます。
- 新卒採用者を3人獲得する
- 中途採用者を3人獲得する
- インターンに10人動員する
ここまで紹介した評価指標はいずれもメンバー層ですが、たとえば総務部の管理職であれば、下記のような具合です。
- 経常利益5%達成する
- 部下5人のうち4人が目標を達成する
目標が設定できたら…「平等に評価」する合理的な方法
上記で紹介した目標はあくまで例です。もし、これから評価制度を構築しようとするのであれば、最初の1~2カ月を使って業務の洗い出しをすると良いでしょう。各部門・役職の役割を定義するほか、日次、週次、月次で発生する業務も整理しておきます。それを基に3カ月単位での定量的な目標を定め、それぞれに0~100点の基準点を設けてください。ただし、合格は60点とします。
「すべての顧客情報の入力を契約後1週間以内にミスなく完了させる」であれば、ミス2件までは許容範囲内として60点とし、ミス1件で80点、ミス0件で100点、ミス3件なら40点、ミス4件は20点、ミス5件で0点とします。
「自社ホームページ・メディアのPV数60万を達成する」なら、60万PV達成で60点合格。70万PVで70点、80万PVなら80点のように階段を踏んでいく形にします。
あとは、合計で何点以上取れば合格なのかを決め、獲得した点数に合わせて給与が変わる号俸を用意すれば完了です。そのうえで重要なのは、給与が下がる仕組みにしておき、毎度同じ目標を達成すればそれで良しとはせず、少しずつ目標は高くしていくことです。こうしないと、現状維持は良いことだと社員が錯覚してしまいかねません。
給与の減少という危機感こそが社員の奮起を促します。もちろん、目標を超え続ければ給与が継続して増えるようにすべきです。
目標達成するためにリーダーが欠かしてはいけないこと
評価制度が明確になると、社員は上司からどう思われているかを過剰に気にする必要がなくなります。そして、頑張ったぶん収入が増える仕組みがあれば、社員は安心して業務に取り組める環境が整い、結果として仕事の質が向上するでしょう。とはいえ、社員が必ずしも毎回好成績を収められるわけではありません。あなたが部下を持つ立場であれば、なかなか成績が振るわない部下がいたとき、怒鳴るような真似をするのではなく、目標に到達できるよう導きましょう。
具体的には、3カ月に1度の目標から毎週のKPI(重要業績評価指標)を出し、その進捗状況を週に1度報告させるのです。問題がなければ何もなしで良いですが、進捗が芳しくなければ、励ましたり詰ったりするのではなく、ひと言「どうしますか」とだけ聞いてください。現状の打開策を部下自身に考えさせることで成長につながります。
社長や上層部の一存でバックオフィス部門の評価を決めている会社は、見方を変えれば大きなチャンスがあるとも言えます。ぜひ、本記事を参考にして明確な評価制度の構築に乗り出してください。
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