- 2024/10/10 掲載
応答速度が爆速化したCopilot新機能「6選」、TeamsやOneDriveの「新たな可能性」とは(2/2)
新機能4:Streamの動画を管理
Microsoft 365内で動画を管理したり再生したりできるサービスがMicrosoft Streamです。Microsoft StreamにもCopilotが追加されており、動画の内容について質問することができます。StreamのCopilotは、ユーザーからの質問に対して回答を返すだけではなく、その回答に関する話題が動画のどの部分に含まれるかも教えてくれます。社内で共有されているセミナーや会議の動画を振り返る場合などに助かっています。
新機能5:期間を指定してTeamsチャットを検索
Copilotの利用をはじめてから、Microsoft Teamsのチャットでの会話履歴の検索代わりにもCopilotを使うようになりました。そうした検索用途で役立つアップデートが、Copilotが探す会話履歴の期間を指定できるようになったことです。「昨日」「先週」「先月」「4月」「去年」「2022年」など、さまざまな言葉で探したい内容が含まれるおおよその期間を指定します。この期間を指定しなかった場合と比べると、たしかに実感できるほど探していた情報を見つけられる確率が高まりました。同じようにMicrosoft Teamsのチャット検索でCopilotを使う人にはぜひ試してほしいアップデートです。
新機能6:エンタープライズデータ保護で会話を記録
さて、Microsoft 365ユーザー向けに提供されている商用データ保護のCopilotが、エンタープライズデータ保護に移行されようとしています。商用データ保護では、ユーザーとCopilotの会話をマイクロソフト側のサーバに保存しないことで、生成AIの再学習などに用いられないことを担保していました。エンタープライズデータ保護に移行することで、ほかのMicrosoft 365サービスのデータ同様に、Copilotとの会話がサーバ上で企業ごとに保護されるようになります。これによってユーザーが得られる最大のメリットは、Copilotとの会話を履歴として残しておけるようになったことです。これは以前からユーザーにとって大きな不満点の1つであり、それが解消されたことになります。
しかしこの移行には注意も必要で、一部の機能が一時的に使えなくなるとも案内がされています。具体的には、EdgeのCopilotから開いているWebページを要約する機能などです。マイクロソフトの公式ドキュメントには、エンタープライズデータ保護のCopilotにもすぐに同様の機能を実装すると書かれていますが、一時的に使えなくなることでユーザーによっては混乱する場合もあるかもしれません。
「注目すべき」これから実装される新機能
さて、マイクロソフトは9月16日に「Microsoft 365 Copilot Wave2」として、今後のCopilotに実装される一部の機能を発表しました。いくつかの機能はすでに展開が進んでいるものでしたが、まったく新しい機能もあります。「Copilot Pages」は、Copilotのチャットから得られた回答をページにまとめ、そのページをほかのユーザーと共有し共同編集しながら作業を進めていく機能です。Copilotと会話をする部分とほかのユーザーと共同編集する部分がシームレスにつながり、Copilotを作業フローの中に加えることができます。
実際に使ったユーザーからは不満も多かった、PowerPointでのプレゼン資料作成も新たに変わります。画面上ではCopilotと一緒にプレゼンのアウトラインを作成することで、よりユーザーの意図に沿った資料を作成できるようになると期待できます。ほかにも、社内のSharePointサイトで公開されている画像を探して資料に挿入できるようになるなど、これまでよりも実務で利用できるような機能強化が予定されているようです。
Copilot Studio agent builderと呼ばれる新しい機能では、ユーザーはCopilotと会話をしながら自分の目的にあったチャットボットを作成できます。このチャットボットは、社内のSharePointサイトなどに保存された情報を基に回答を返すことで、特定の業務に特化したボットとすることができます。OpenAI社のChatGPTに実装されているマイGPTの機能に近いのではないかと予想しています。
マイクロソフトのキーメッセージ「UI for AI」とは
さて今回は、すでに展開済みで利用できるものや、これから展開が予定されているものなど、さまざまな機能を紹介してきました。Copilot for Microsoft 365に実装される機能は、利用するための複雑なプロンプトが一切必要ない点が特徴です。生成AIを活用する際にはプロンプト作成に注目が集まりがちですが、Copilot for Microsoft 365ではそうしたプロンプトを極力ユーザーには使わせない方向性があるようにも思います。これは、Microsoft 365 Copilot Wave2で述べられたキーメッセージでもあった「UI for AI」にも表れているのではないでしょうか。
CopilotはAIとユーザーをつなぐUIであり、それをどのように構成するかが重要になるという考えです。これはつまり、Microsoft 365で提供しているさまざまなアプリケーションを通じて、ユーザーの業務でAIを生かせるようにしたいとマイクロソフトは考えているのでしょう。
こうした機能が増えることで複雑なプロンプトの作成が不要になる代わりに、一部のユーザーにとっては痒いところに手が届かないものになるかもしれません。そんなCopilotと対峙したときには、完全には自分の意図どおりではないから使えないものとするのか、ここまでできるのであれば後は自分の工夫でなんとかなると考えるのかによって、これからのCopilotの活用にも差が出てくるのではないでしょうか。
さて次回は、久しぶりに筆者のCopilotの使い方を紹介したいと思います。
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