- 2005/12/26 掲載
【戦略的マーケティング/第1回】顧客志向を実現する3つのキーワード(2/4)
(キーワード2)リーンな購買プロセスの実現
旅行代理店に行って、何十分も待たされたあげく予約が取れなかった。ハイテク製品に関する店員への質問の答えが要領を得ていなかった。自分にぴったりのブランドが、どこで売っているのか分からなかった。店員が自分の仕事を優先し、こちらの対応を後回しにしていた━━。皆さんも、このような経験をしたことがあるだろう。そのような時、不快感が高まったり、不満を抱いたり、怒りを覚えたりすることさえある。入手する製品に対する満足水準の高さに比べて、製品を入手するまでの購買プロセスに対する満足水準は、それほど高くないようである。90年代から比べるとブランド数が増え、われわれの選択肢は飛躍的に増加した。インターネットなどの新しい媒体も加わり、各ブランドをめぐる情報量も加速度的に増加した。一見すると、購買プロセスの質は上がっているように思われる。ところが、購買プロセスにおける顧客の時間やエネルギーは、ますます消耗される傾向にあることが分かっている。
博報堂買物研究所・研究開発局と早稲田大学マーケティング・コミュニケーション研究所が共同で実施した最近の調査によると、デジタルカメラや自動車などの「最終購入と購入時」における満足度は90%を超えている(図2)。
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購入ステップの満足度
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ところが、店頭にやってくるまでの情報収集段階における満足度は、おおむね70%台にとどまっている。この調査では当該製品の最終的な購入者を対象としているため、何らかの理由により途中でドロップした人は含まれていない。ドロップした人々の意見が加われば、情報収集段階における満足水準はもっと下がるはずである。
企業が顧客志向を実現するためには、消費者に優れた製品を提供する、つまり高い顧客価値を提供することだけでは足りない。生み出された顧客価値を消費者に伝達したり説得したりするプロセスにおいても、顧客志向が貫かれていなければならない。購入時点という局面にだけ限定して、顧客志向や顧客価値を考えていては十分とはいえないのだ。購入の思い立ちに始まり、下調べをし、各ブランドを比較検討して、購入店舗を見つけ、最終的に購入する。こうしたプロセスすべてのステップで、顧客への配慮を怠ってはならない。購入プロセスへの配慮が不十分であれば、購買という行為全体から受ける顧客の満足は低下してしまうはずだからだ。
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