フリーライター 岡崎 勝己
脳神経科学の成果を基に、人間の脳と同様の認知アーキテクチャの実現を目指すAI開発のアプローチを探る「全脳アーキテクチャ(WBA)」。そこで実現する汎用人工知能(AGI)は、多角的な問題解決能力を自律的に獲得する点で、特定の目的に特化した従来からのAIとは一線を画し、早ければ2030年代と予測されているその登場は、社会に大きなインパクトをもたらすと見込まれている。WBAによるオープンなAGI開発を推進する全脳アーキテクチャ・イニシアティブ(WBAI)は9月、6回目となるシンポジウムを開催。慶應義塾大学 教授の栗原聡氏をモデレータに、東京大学 教授の稲見昌彦氏、慶應義塾大学 教授の大屋雄裕氏、理化学研究所の高橋恒一氏、WBAI代表で東京大学の山川宏氏の4氏が、AGI登場後の未来社会について多様な角度から意見を交わした。