中森 勇人
中森勇人(なかもりゆうと)
経済ジャーナリスト・作家/ 三重県知事関東地区サポーター。1964年神戸生まれ。大手金属メーカーに勤務の傍らジャーナリストとして出版執筆を行う。独立後は関西商法の研究を重ね、新聞雑誌、TVなどで独自の意見を発信する。
著書に『SEとして生き抜くワザ』(日本能率協会)、『関西商魂』(SBクリエイティブ)、『選客商売』(TWJ)、心が折れそうなビジネスマンが読む本 (ソフトバンク新書)などがある。
TKC「戦略経営者」、日刊ゲンダイ(ビジネス面)、東京スポーツ(サラリーマン特集)などレギュラー連載多数。儲かるビジネスをテーマに全国で講演活動を展開中。近著は「アイデアは∞関西商法に学ぶ商売繁盛のヒント(TKC出版)。
公式サイト http://www002.upp.so-net.ne.jp/u_nakamori/
不正アクセスにより、年金に関する個人情報約125万件が外部に流出した日本年金機構。流出したとみられるのは基礎年金番号や氏名、生年月日、住所などで、職員にあてられた標的型メール(ウイルスが組み込まれたメール)を不用意に開き、情報が流出したとみられている。しかも、職員は内部の規約に反し自身のパソコンに個人データを保存し、さらにパスワード設定をしていなかったと言うからあきれるしかない。さて、この日本年金機構だが、前身は2009年に廃止された社会保険庁で、いわゆる「消えた年金問題」で廃止の憂き目にあった曰くつきの組織である。2004年には300人近い職員が個人情報の漏えいが疑われる行為を行っており、幹部職員が収賄罪で逮捕される事件があったというからまったく懲りていない。社会保険庁が厚生省(現厚生労働省)の外局として設立されてからすでに半世紀。企業30年説というのがあるが、国の機関が国民の信頼を裏切り、50年でつぶれてしまうようではお先真っ暗と言うしかないだろう。
500円でランチが食べられる「ランチパスポート」の売り上げが好調だ。いわゆるレストランのガイドブックなのだが、パスポートを提示することで700円以上の、中には通常価格が1,000円を越えるランチが味わえることが人気の秘密。発祥は高知県で今まで20を越える都道府県や地域で発行されている。一方、30食限定やオーダー時間の制限、一冊に付き一食限りや有効期限、売り切れ御免などの制約があり、中にはランチパスポート用に作った原価の安いメニューがあるなどの問題点も指摘されている。まるで「安く食べられるのだから我慢してください」と言わんとするその姿勢。どちらが客なのかわからないと言う声も聞かれそうだ。このようにいろいろと注文の多いレストランもあるようだが、このフレーズ、どこかで聞いたような気がする。
2015年3月14日に東京駅~金沢駅間が開通した北陸新幹線。首都圏からの移動時間が大幅に短縮されたことから、多くの観光客が訪れ、地元ではビジネスに弾みがつくと期待されている。金沢は石川県のほぼ中央部に位置し、江戸時代には加賀百万石と呼ばれ城下町として栄えてきた。コシヒカリの産地としても知られ、加賀友禅を始め伝統工芸が盛んにおこなわれてきたが、現在でもでも金箔のシェアーは全国の99%で銀箔に至っては100%を占めているのだという。加賀藩の庭園として有名な兼六園の売店では金箔ソフトが販売され、今井金箔の直営店では丸々一枚が載せられた金箔ソフトを販売し、テレビなどでも大きく取り上げられた。さて、この金沢という地名であるが、この金箔に代表されるように“金”にまつわる名称に他ならない。兼六園にある「金洗いの沢」にまつわるもので、金沢市民なら誰でも知っているという「芋ほり長者」という昔話がそのルーツとなっている。
春は異動のシーズン。各地では連日のように歓送迎会が行われ、飲食業にとってはまさに書入れ時だ。大阪市住吉区の住宅街にひっそりとたたずむ鍋専門店がある。小さな看板が出ているだけで周囲の住宅と見分けがつかない外観に反して、本格的な“ラーメン鍋”が食せると遠方から客が押し寄せるのだという。一日2組限定の予約制だが、いつも満席状態。客はグルメサイトの口コミを頼りに店を探し当てるというから、隠れ家というネーミングもうなずける。店主の泉谷学さん(68)は「吉本の芸人さんやサッカー選手、古くからのリピーターさんなどで、週末だけで月120人は来店されます。販売用のうどんやダシ作りも忙しいし、特製のめん坊醤油の売り上げも好調ですね」と語る。