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- 2015/07/28 掲載
松岡 修造氏も実践する“笑いの力”をビジネスに活かす
修造語録に記されているビジネス成功のカギ
これは、男子シングルス世界ランキング5位(2015年7月20日現在)のテニスプレーヤー、錦織 圭選手の育ての親として注目を浴びている松岡 修造氏の言葉。今、このいわゆる修造語録に元気づけられる人が急増中だ。
松岡氏は、修造語録のなかで「つらい時、苦しい時は笑顔になれないよね。でも、そんな時こそ僕は笑うんだ。笑顔でいれば、自分も、周りの人も明るくなれると信じているから。大きな声で『明日は大丈夫!』『次は大丈夫!』と言いながら、笑顔とガッツポーズ。そうすると、心も体も『そうかな?』なんて勘違いして頑張る力や乗り切る力がどんどん湧き出してくるんだ」と言い切っている。なかでも「勘違いして・・・」のくだりは何か呪文のような雰囲気を醸しているからその気になってしまう。
“笑いが元気や頑張る力につながる”という松岡氏の言葉。実は、この正当性を裏付ける科学的な根拠がある。
筑波大学名誉教授で日本笑い学会会員の井上和夫氏は、笑いに関するユニークな臨床試験を行った。糖尿病患者25人について500キロカロリーの食事の後、大学で行う糖尿病についての講義を受けた場合と、漫才を聞いた場合について血糖値の変化をそれぞれ測定。上昇の度合いが前者に比べ後者が46mgも少ないという結果が出たのだという。
これは、笑うことによって血糖値を抑えるタンパク質が分泌されたことの証だとされている。井上名誉教授は次のように語る。
「笑いには無化作用というのがあります。これは笑っているときは何も考えない、何もかも忘れてしまうという作用が起き、こういう時間があると、笑いの前後で考えに変化が生じるのです。
たとえば阪神淡路大震災に漫才師が慰問に行った時のこと、被災者は笑い転げた後、『こんな状況だからって酒ばっかり飲んでいる場合じゃない』と復興に取りかかる決意をしたのだと言います。ほかにも不登校児が吉本新喜劇を観覧して思いっきり笑った後、登校をしはじめたケースもありますね」
このように“笑い“には底知れぬパワーが秘められており、問題解決のカギとなり得る可能性を持っているのである。
【次ページ】人が生まれながらに持つ“笑い”というコミュニケーションツール
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