- スペシャル
- 2015/06/18 掲載
ゲーム業界を支えるミドルウェア「CRIWARE」の開発管理を、クラウドで運用する理由(3/3)
- ありがとうございます!
- いいね!した記事一覧をみる
パブリッククラウドで運用する共同開発体制を構築
CRIでは、Perforceをパブリッククラウドで運用し、協力会社と共同開発のために利用する体制を取っている。Perforce導入以前は、協力会社とFTPでやり取りしていたため、セキュリティ的な問題があった。また、受け取ったソースコードは構成管理ツールを通していないため、毎回手動でマージしなければならず、時間もかかり、人的なミスにもつながっていた。「そこで国内法人向けのパブリッククラウドサービスを採用し、Perforceサーバを立てて、共同で使えるようにしました。セキュリティを堅牢にするために、アクセス元のIPアドレスで接続制限をかけたり、通信経路をSSHのトンネリングによって暗号化したりしました」(石川氏)
最新のPerforceはSSLによる通信の暗号化に対応しているが、CRIがパブリッククラウドを構築した当時は、PerforceがSSLに対応しておらず、また、東陽テクニカでもSSHトンネリングでの暗号化を推奨していたという。このほかサーバの基本保守もSSHトンネリングを通じて、リモートデスクトップで実施。Perforceのメンテナンスについても週1回ペースで専用コマンドを実行し、データベースの整合性チェックや、リストア用チェックポイントの作成も行った。
「パブリッククラウドによる共通開発環境の構築によって、大きなメリットが得られました。まずPerforceの導入で、しっかりと構成管理が行えるようになり、特にチェンジリストで作業内容が分かりやすくなったことが挙げられます。また通信をSSHでトンネリングすることで、セキュアなファイルのやり取りが可能になりました。仮想サーバ導入において一般的なことですが、ハードウェアの保守運用から開放されたことも嬉しい点でした」(石川氏)
以前、同社では社内に公開用のレプリカPerforceサーバを用意し、相手企業とVPN接続をしてやりとりしていたこともあった。しかし、相手側の情シス部門も巻き込むことになり、かなり大変だったそうだ。今回はパブリッククラウドを使うことで、このようなハードルもクリアできたという。
CRIがPerforceを導入したのは2006年のこと。すでに導入して10年目になる。最後に石川氏は「Perforceに関して東陽テクニカから多くのサポートを受けて何度も助かりました。あるときPerforceのメンテナンスコマンドを実行していると、大量のエラーが発生しました。同社に問い合わせたところ、データベースの破損が原因で、直近のチェックポイントとジャーナルファイルから修復を可能にする管理コマンドを教えてもらいました。初歩的な問題から込み入った問題まで、どんな疑問にも回答してくれるため、我々にとって頼もしい存在です」と締めくくった。
関連コンテンツ
PR
PR
PR