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- 2015/06/18 掲載
ゲーム業界を支えるミドルウェア「CRIWARE」の開発管理を、クラウドで運用する理由
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3000タイトル以上のゲームに採用されるミドルウェア「CRIWARE」
ゲーム以外では、遊技機、ヘルスケア、家電・組込みなどの分野にも応用されている。
CRIの開発部門の主な業務は「ミドルウェアのための新技術や新機能の研究開発」、およびそれをミドルウェア製品に反映する「最新ソースコードの修正と成果物としてのSDKパッケージのリリース」だ。
これらは「研究・開発プロセス」と「SDKビルド・リリース」という2つのプロセスに分けられる。研究・開発プロセスは、仕様→設計→実装→テスト→評価という一般的なサイクルで作業する。このサイクルを何度も回したら、次のSDKビルド・リリースプロセスに入る。このときにSDKの構成を確定し、これ以上は手を加えない。そして、SDKのビルドから、パッケージ作成、ライブラリ/ツールの総合テスト、チェックまでを実施し、リリースするという流れだ。
ゲーム機向け「CRIWARE」は、最新ゲーム機を含めて12機種、累計では20機種以上にSDKを提供している。これを効率的かつトラブルなく実現するためには、ソースコードの管理が鍵を握るという。CRI・ミドルウェア 第一事業ユニット 品質管理担当 主任 石川達也 氏は次のように語る。
「CRIでは、SDKを2ヵ月に1回の割合でリリースしています。パッケージ数はゲームプラットフォーム数×製品数(CRIWAREの各製品)となり、現在は約25のSDKを作っています。プラットフォームごとに収録コンテンツが異なるため、構成管理ツールによって厳密にSDKの収録コンテンツのバージョン管理を行います。これにより、特定のバージョンで不具合が見つかったときでも、迅速にSDK作成時の作業環境を再現できます。」(石川氏)
ラベル機能でSDKのバージョンを一元管理。いつでも巻き戻せる状態に
同社ではミドルウェアのソースコードを管理するツールとしてPerforceを利用している。具体的には、SDKの構成確定にPerforceの「ラベル機能」が重宝しているという。これはPerforceの状態を構成のスナップショットとして保存して、分かりやすいラベル(名前)を付けてバージョンを一元管理するものだ。ラベル機能を使って、Perforceの状態をその都度サーバ上に残すことで、いつでも誰でもSDK作成時の環境を再現してサポートが行える。たとえば「lib-4」(ライブラリ、数字は改定番号)、「man-3」(マニュアル)、「tool-2」(ツール)というように、各要素をSDKに含めると決定したら、ここでラベルを張って保存しておく。これによりサポート担当者がラベルを使って、ユーザーのSDKバージョン環境を、Perforceのラベルで取り出して、すぐに再現できるわけだ。
【次ページ】ゲームの海外版ローカライズに、迅速な対応ができた理由
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