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ここ最近、自動車業界でEVが大きな話題となっています。欧州委員会がガソリン車の販売を2035年に禁止する方針を打ち出しこともあり、世界中でエンジン車からのEVシフトの動きが加速しているのです。実際のところ、2021年頃から数多くのEVが日欧米の自動車メーカーから登場しています。本記事では、現在各自動車メーカーから販売されているEVを価格や性能の点で比較していきます。
アウディ:「e-tron」
EVシフトを積極的に進めているのが欧州です。そうした欧州製EVの中でも先鋒的な存在となっているのが、独アウディの「e-tron」シリーズです。
ラインナップとしては、大型SUVの「e-tron」とSUVクーペの「e-tron Sportback」をはじめ、スポーツセダンの「e-tron GT」、コンパクトSUVの「Q4 e-tron Q4」、「Q4 e-tron Sportback」などを揃えています。
代表格となるのが、最初に登場した大型SUVの「e-tron」でしょう。“クワトロ”と呼ばれる4WD駆動システムを売りにするアウディらしく、モーター2つの4WD仕様で、電池は71kWhと95kWh、価格は935万円~1,256万円(2022年3月時点)となっています。最もハイパフォーマンスな「e-tron55」は、最高出力300kW(408馬力)・664Nmを誇ります。
フォルクスワーゲン:「タイカン」
アウディと同じ独フォルクスワーゲン・グループに属するポルシェのEVは、4ドアのスポーツセダンの「タイカン」です。アウディと同じように2つのモーターの4WD仕様で登場した後に、モーター1つの後輪駆動車がエントリーモデル扱いでラインナップに加えられています。ポルシェらしく、トップモデルの「タイカン ターボS」は、93.4kWhの電池を積み、最高出力750馬力、0-100㎞/h加速2.8秒を誇ります。もちろん価格も2,468万円(2022年3月時点)ととびきりです。
メルセデス・ベンツ:「The EQC」
そして欧州プレミアムブランドの代表格である独メルセデス・ベンツ。こちらのEVはCセグメント相当のSUVとなる「The EQC」から日本に導入されています。こちらも2モーターの4WD。300kW(408馬力)・765Nmの高出力を誇り、80kWhの電池を積んで価格は960万円(2022年3月時点)からとなっています。現在は弟分の「The EQA」(640万円~、2022年3月時点)も発売されています。
アウディ、ポルシェ、メルセデス・ベンツといった欧州プレミアムブランドのEVを並べてみて分かるのは、たっぷりの電池と高出力なモーターを組み合わせた高額なモデルばかりということです。実際には、この後に本モデルより電池の少ない、値段の低いモデルも追加していますが、最初に投入したのは、高性能のリッチなEVでした。ある意味、プレミアムブランドだからこそできる、販売戦略と言えるでしょう。
ちなみに、欧州にはフォルクスワーゲンの「IDシリーズ」や、オペルの「コルサe」、プジョーの「e-208」などのように、コンパクトハッチバックをEV化したモデルも存在します。これら車種は、日本の日産「リーフ」のライバルになるような、コストと性能のバランスをとったモデルです。
ただし、プジョーの「e-208」は日本でも発売開始されていますが、「ID.3」は未導入。フォルクスワーゲンは、日本市場に対して、意外と慎重な姿勢をとっています。
テスラ:「Model 3」
続いては米国のEV。その代表格はテスラになるでしょう。米国と言うよりも、世界でも珍しいEV専業メーカーであり、カリスマ経営者イーロン・マスク氏と合わせて、常に世界の耳目を集める存在です。
そのテスラの現在の主力モデルが、コンパクトセダンの「Model 3」です。
実は、これまでの主力であるセダンの「Model S」やSUVの「Model X」は、欧州プレミアムブランドと同じように、大量の電池を搭載した高額なハイパフォーマンスカーでした。ところが、「Model 3」は方針を転換し、エントリーモデルの1モーターの後輪駆動車を500万円以下の価格で売り出したのです。
テスラは電池搭載量を公表していませんが、価格に合わせて搭載量を減らしたことは確実です。そして「Model 3」は、パフォーマンスの代わりに、インターフェース系の斬新さが売りとなっています。
現車に触れると分かりますが、物理的なスイッチがとことん排除され、その多くが大画面のタッチスクリーンでの操作となっています。ガラケーなどからスマートフォンへの転換のような違いがあります。実際に「Model 3」は、電気駆動というよりも「新時代の乗り物」であることを強く主張しているのです。
日産:「リーフ(LEAF)」
続いては日本のEVを紹介しましょう。日本を代表するEVと言えば、日産の「リーフ」です。2010年の発売から、すでに10年以上が経ち、今あるのは第二世代(記事冒頭の写真)。しかも、その間、電池火災がなかったというから驚くばかり。
今では価格もエントリーモデルが約330万円(2022年3月時点)まで下がっており、コスパと安全性の高さは、世界でも随一ではないでしょうか。ただし、走行性能は目立ったところがなく、ごくごく普通。インターフェース系もデザイン面でも目新しさはありません。世界初の本格量産EVという意味合いでは重要なモデルだけれど、ライバル続出の現在では、その個性と魅力が弱く感じられてしまいます。
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