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2021年、伊自動車メーカーFCA(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)と、仏自動車グループのPSA(プジョーシトロエン)の2社の対等合弁から生まれた新会社「ステランティス (Stellantis)」。実績豊富な2社の合併とあって、新会社でありながら業界トップクラスの規模となった同社ですが、どのような企業なのでしょうか。また、国内での人気はどの程度ある企業なのでしょうか。
主要自動車ブランド一覧
伊自動車メーカーFCAと、仏自動車グループのPSAの2社の合併により誕生したステランティスには、FCAとPSAの傘下にあったブランドが一堂に介しているなど、非常に多数のブランドを保有している点が他社グループと異なる特徴と言えます。そのブランドの名前を揚げれば以下のようになります。
- 「ABARTH(アバルト)」(伊)
- 「Alfa Romero(アルファロメオ)」(伊)
- 「CHRYSLER(クライスラー)」(米)
- 「Citroen(シトロエン)」(仏)
- 「DODGE(ダッヂ)」(米)
- 「DSオートモビル」(仏)
- 「FIAT(フィアット)」(伊)
- 「Jeep(ジープ)」(米)
- 「LANCIA(ランチア)」(伊)
- 「Maserati(マセラティ)」(伊)
- 「OPEL(オペル)」(独)
- 「PEUGEOT(プジョー)」(仏)
- 「RAM(ラム)」(米)
- 「VAUXHALL(ヴォクソール)」(英)
なんと、傘下にあるブランドは14にも及び、ルーツとする国も米国をはじめフランス、イタリア、ドイツ、イギリスなど5カ国に上ります。
また、フィアットやプジョー、シトロエン、クライスラー、オペルといった大衆車だけでなく、高級車にあたるマセラティやアルファロメオ、DS、そしてSUVのジープ、カスタムのアバルトなど、ブランドのイメージが多彩であることも特徴です。
CEOカルロス・タバレス氏とは
ブランドを率いるのは、カルロス・タバレス氏。ルノーと日産に30年在籍し、カルロス・ゴーン氏を支え続けた経歴を持つ人物です。その後、グループPSAを経て、ステランティスのCEOに就任した、やり手ビジネスパーソンなのです。
同氏は、元エンジニアであり、かつ本格的なドライビングスキルを持つカーガイ(Carguy)としても知られています。クルマのことをよく理解している人物であるからこそ消費者のニーズに細かく対応できると考えられます。また4カ国語を話すなど、国際的に活躍できるスキルを有しています。
タバレス氏が在籍していることも、ステランティスを注目する理由の1つとなります。
世界生産販売台数ランキング、ステランティスのポジションは?
それでは、新星であるステランティスの規模はどの程度のものなのでしょうか。
ステランティス誕生前の2019年の世界の自動車メーカーの販売台数ランキングを見ると、FCAは世界9位で約442万台、グループPSAは世界10位で約348万台です。それぞれ中堅といったポジショニングです。
しかし、2社を合計すれば約790万台となります。この数がどの程度になるかと言えば、販売台数トップのフォルクスワーゲンの約1098万台、2位のトヨタの約1074万台、3位のルノー/日産/三菱自動車の約1015万台の上位3社には届きませんが、その下の4位ゼネラルモーターズ (GM)の約772万台、5位の現代自動車の約719万台よりも上に位置します。
つまり、FCAやグループPSAという単体では、中堅だったのが、合弁したことにより、一気にトップ3に次ぐ存在になってしまったのです。
ちなみに、そのほかの有名どころの順位は、上海汽車が6位で約623万台、フォードが7位で約539万台。日本ではホンダが8位で約517万台、スズキは12位で約300万台、マツダは15位で約150万台、スバルは18位で約100万台でした。
【次ページ】国内輸入車ランキング、ステランティスはどれだけ人気か? 今後投入予定の新型車とは?まとめて解説
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