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- 2022/02/01 掲載
テスラが示す本当の価値、DXに必要な「データ」とは、これまでと何が違う?
データは「Society5.0」「DX」への入り口
「Society5.0」を提唱している日本の内閣府によると、Society5.0は「サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)」と定義されています。Society5.0は日本が提唱したコンセプトですが、これをすでに実践しているのが、Society4.0時代の勝ち組であるGAFAといった米国のデジタル企業です。GAFAは顧客に関する膨大なデジタルデータをサイバー空間で集めて活用し、成長してきましたが、それが今ではフィジカル空間(=リアル産業)にも進出してきているのです。
たとえば、GAFAの一角であるグーグルは2014年に、インターホンやサーモスタットなどのスマートホーム製品を手がけていたネストを32億ドル(当時のレートで約3300億円)で買収。さらにアマゾンは2017年に、食品小売業の米スーパーマーケットチェーン大手、ホールフーズ・マーケットを137億ドル(同約1兆4800億円)で買収しました。
これら以外にも、この10年間でデジタル企業によるリアル企業の買収が続いています。なぜなら、これからはリアル企業がデジタル技術を駆使して新たなサービス領域にどんどん進出してくるからです。デジタル企業もリアル企業に入り込まないと将来的には勝てないということを、GAFAなどのデジタル企業がすでに見越していたのです。
Society5.0と並んで現在のビジネスシーンでホットな話題となっているのが「DX(デジタル・トランスフォーメーション)」です。Society5.0が未来の社会の姿であるのに対し、DXは企業や組織が未来の社会に対応するために変革を起こしていく概念を表しています。そのどちらでも重要になってくるのが、「データ」「デジタル技術」「イノベーション」です。
この3つの要素はどれも同等に重要です。しかし、データがなければ、どんなに高度なデジタル技術を持っていても、イノベーションは起こせません。ここでは、その入り口ともいえる「データ」についてお話ししていきます。
【次ページ】価値ある「データ」には何が必要?
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