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- 2022/03/16 掲載
迫る「建設業の2024年問題」、上がらない職人の給与・加速する人手不足…解決の糸口は?
建設業の2024年問題とは?
私たちの生活の基盤となる住宅や建物は、人の手なくしては作り上げることはできない。しかし、その担い手である建設業界は今、「2024年問題」に直面している。2024年問題とは、建設業界が抱えるさまざまな課題を包括している言葉で、特に深く関係しているのが、政府が2019年に施行した「働き方改革関連法」に基づく「時間外労働の上限規制」だ。
施行された2019年以降、多くの産業で労働時間の規制が適用されているが、長時間労働と休日労働が常態化している建設業は適用までの準備期間が設けられている。その準備期間が2024年で終了するため、「2024年問題」と呼ばれているのだ。
労働時間の上限規制が適用されれば、従業員の時間外労働の上限は「月45時間・年間360時間」、毎週少なくとも1日の休日が原則となる。法案の適用が迫る中、建設業界では抜本的な解決策を模索している最中だ。
問題を複雑にしている3大要因
2024年問題は、さまざまな問題が複雑に絡み合っているのが特徴だ。解決を難しくさせている主な要因は、以下の3つである。- 深刻な人手不足
- 給与システム
- 職場環境
まず1つ目の「深刻な人手不足」は、年々加速する人口減少が原因といわれる。人手不足は大きな社会問題だが、特に建設業はほかの業種と比べても若手の数が極端に少ない。総務省の「労働力調査」(2017年平均)では、次世代の担い手となる29歳以下の職人の割合は全体の11.0%という結果が出ている。
現在60代の職人が10年後には引退すると考えると、このままではさらに深刻な事態を招く可能性が高い。政府が推進する週休2日制を実施するためには、十分な人材とローテーションで現場を進める仕組みが必要となる。
たとえば、当社では人材を確保し一定の課題をクリアすることで週休2日制の導入を実現させているが、工事を受注して施工している中小規模の建設業者が早急に実施するのは極めて困難な状況と思われる。現場の人手不足は喫緊の課題となっている。
【次ページ】なぜ職人の給与が上がらない? 業界が陥っている悪循環
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