• 会員限定
  • 2022/10/13 掲載

建設業界が劇的に変わる? 鹿島・清水・国交省が挑むデジタルツイン化の“新時代”

  • icon-mail
  • icon-print
  • icon-hatena
  • icon-line
  • icon-close-snsbtns
会員になると、いいね!でマイページに保存できます。
建設DXが進められる中、大手ゼネコンや政府を中心にデジタルツインの活用がはじまっています。建設時の安全性向上や生産性向上のみならず、建物を利用する段階においても、たとえばデータに基づいた設備更新の提案といった利便性の向上にも期待されています。では、具体的にどのようなデジタルツインを活用した近未来の建物・都市が構想されているのか。鹿島建設や清水建設、国土交通省などの事例を踏まえながら解説します。
photo
鹿島建設や清水建設などはデジタルツインを活用した近未来の都市・建物をどのように構想しているのか
(Photo/Getty Images)

建設業界で活用が進む「デジタルツイン」

 デジタルツインは、インターネットに接続した機器を活用して現実空間の情報を取得し、サイバー空間内に現実空間の環境を再現することで、リアルタイムなモニタリングやシミュレーションを可能にします。たとえば生産工程で活用した場合、生産工程のデータを仮想空間で一元化して見ることができるため、生産ラインに問題が発生した際の原因究明が容易になるなどの効果を期待できます。

 一方建設業におけるデジタルツインでは、現実空間の実際の建物と仮想空間におけるBIM(Building Information Modelin:コンピューター上で作成した3Dモデルに、コストや仕上げ、管理情報などのデータを追加したデータベース)モデルをツインとします。そして、BIMによる3次元モデル、建材・設備の製品情報、構造物の状況を伝えるセンサー情報によって、現実の構造物を仮想空間に再現します。

 現実空間の変化が仮想空間にも同時に起こるという連動性を持たせます。これにより設計内容がこれからどのように現実化し、今後の工程によって現実の構造物がどうなるかを予測することができます。

 仮想空間では、現実空間で見えにくい部分を可視化することができます。さらに費用面や時間的制約といった理由から現実空間で試すことのできないアイデアを、仮想空間で試行することができるため、現実空間の工程を最適化することができます。

鹿島建設:人・モノのデータで現場を可視化

 鹿島建設は、システム開発などを手掛けるアジアクエスト、GIS(地理情報システム)に特化したソフトウェア開発などを提供するマルティスープと共同で、建築現場のデジタルツインである「3D K-Field」を開発しています。現場に設置されたさまざまなIoTセンサーで取得したヒトやモノのデータを仮想空間に表示することで、リアルタイムに建設現場の状態を可視化します。

画像
鹿島建設の3DK-Field。IoTセンサーで取得したデータを仮想空間に表示している
(出典:アジアクエスト プレスリリース

 稼働状況の可視化や遊休機材の特定によりコスト削減につなげられるだけでなく、バイタル情報を取得して作業者のリアルタイムの健康状態を確認することもできます。行動履歴から作業実績を把握することもできます。

 また構造を変えたらどのような変化が起きるかというシミュレーションも行うことができます。その結果を現実空間に適用したり、結果から得た構造変化の候補を絞って現実空間で検証したりできます。建設業のデジタルツインにより、設計・施工・維持管理の各工程における効率的な工程設計や現場の安全性向上、生産性向上を図ることができます。

【次ページ】清水建設:建設OSで竣工後もアップデート
関連タグ タグをフォローすると最新情報が表示されます
あなたの投稿

    PR

    PR

    PR

処理に失敗しました

人気のタグ

投稿したコメントを
削除しますか?

あなたの投稿コメント編集

機能制限のお知らせ

現在、コメントの違反報告があったため一部機能が利用できなくなっています。

そのため、この機能はご利用いただけません。
詳しくはこちらにお問い合わせください。

通報

このコメントについて、
問題の詳細をお知らせください。

ビジネス+ITルール違反についてはこちらをご覧ください。

通報

報告が完了しました

コメントを投稿することにより自身の基本情報
本メディアサイトに公開されます

必要な会員情報が不足しています。

必要な会員情報をすべてご登録いただくまでは、以下のサービスがご利用いただけません。

  • 記事閲覧数の制限なし

  • [お気に入り]ボタンでの記事取り置き

  • タグフォロー

  • おすすめコンテンツの表示

詳細情報を入力して
会員限定機能を使いこなしましょう!

詳細はこちら 詳細情報の入力へ進む
報告が完了しました

」さんのブロックを解除しますか?

ブロックを解除するとお互いにフォローすることができるようになります。

ブロック

さんはあなたをフォローしたりあなたのコメントにいいねできなくなります。また、さんからの通知は表示されなくなります。

さんをブロックしますか?

ブロック

ブロックが完了しました

ブロック解除

ブロック解除が完了しました

機能制限のお知らせ

現在、コメントの違反報告があったため一部機能が利用できなくなっています。

そのため、この機能はご利用いただけません。
詳しくはこちらにお問い合わせください。

ユーザーをフォローすることにより自身の基本情報
お相手に公開されます