- 2025/04/17 掲載
連邦政府の裁量的支出削減では債務問題は解決せず=FRB議長
[16日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は16日、米連邦債務の伸びを抑制する必要があるとする長年の見解を改めて表明した。その上で、連邦政府の国内裁量支出削減で対処しようとする現在の方策は間違っていると示唆した。
パウエル議長はシカゴ経済クラブでのイベントで「完全雇用状態でも非常に大きな赤字を抱えている。これは非常に対処が必要な状況だ」とした。その上で、「議論のほとんどが国内裁量支出に集中しているが、それが連邦政府支出に占める割合は小さく、減少傾向にある。国内支出の削減に注力している人は、実際には問題解決に取り組んでいないのだ」と指摘した。
パウエル議長は、米実業家イーロン・マスク氏が率いるトランプ政権の「政府効率化省(DOGE)」が裁量的支出削減策の一環として連邦政府職員の大幅削減を行っている点について具体的には言及しなかった。しかし、パウエル議長の発言は、こうした動きは連邦債務と財政赤字の削減にとって無関係だと一蹴したように映った。
パウエル氏は、政府債務と赤字の削減を真に進めるためには、政治家は政府支出の最も大きな部分を占める、低所得層向けの公的医療保険「メディケイド」や高齢者向け公的医療保険「メディケア」、高額の利払い費への支出などを削減しなければならないとし、「これらは超党派でのみ取り組むべき問題だ」と語った。
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