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- 2020/02/17 掲載
【数字で見る】パワー半導体 市場動向を解説、日本勢は勝ち残れるのか
パワー半導体とは
半導体とは、電気の状態によって導体(電気を通す物質)と絶縁体(電気を通さない物質)のいずれかの性質をもつ物質のこと。その中で、高い電圧や大きな電流を扱え、電源の電力をコントロールするものを「パワー半導体」と呼ぶ。扱える電圧や電流が大きい特徴を生かし、大電流・大電圧がかかる発電・送電設備や、産業用ロボットなどのFA機器、建設機械やビル、新幹線、コンピューターなどの情報通信機器や家電製品に至るまで用いられている。まさに「産業のコメ」である。
「省エネ型エアコン」のインバーターにはパワー半導体が使われ、モーターの回転数を変えて温度を調節しながら効率運転で電力消費を抑える。電気自動車(EV)ではメインモーターに匹敵する最重要部品である。
パワー半導体の市場規模予測
このパワー半導体は、まぎれもなく成長市場だ。矢野経済研究所のレポート「進展するパワー半導体の最新動向と将来展望2018」によると、2017年は177.5億米ドルだったパワー半導体の世界市場は、2025年には299.2億米ドルに伸び、8年で68.6%拡大すると予測されている。そのCAGR(年平均成長率)は6.7%だ。かつて「半導体王国」だった日本は、現在はインテル、マイクロン、ブロードコム、テキサスなどの米国勢や、サムスン、SKハイニックスなどの韓国勢に押され、半導体全体でのシェアを大きく落とした。米国のICインサイツの調査では、日本は1990年、売上高シェア49%で世界のトップを占めていたが、2017年は7%まで低下している。
【次ページ】「パワー半導体の世界シェア」「次世代素子のSiCの市場予測」「次々世代素子も10年後には次世代を超える勢い」
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