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Excelのゴールシークとは、希望の計算結果を先に決めてから、その結果を得るために必要な値を逆算する機能です。通常、逆算値を出すには、逆算するための数式を作る必要がありますが、ゴールシークを使えば不要になります。ただ、この説明だけではなかなかイメージが付かないと思いますので、ゴールシークの具体的な利用シーンと利用画面をもとに丁寧に解説していきます。
結果から逆算する「ゴールシーク」
ゴールシークは、
希望の計算結果を先に決めてから、その結果を得るために必要な値を逆算する機能です。
少しわかりにくいので、飲食店の売上を例に考えてみます。平均客単価が500円で、客数が200人のとき、1日の売上は10万円(=500円× 200人)になります。
では、平均客単価を500円に設定した場合に、売上目標12万円を達成するために必要な客数は何人になるでしょうか。この数を求める際に便利なのがゴールシークです。
●通常のExcelの計算
平均客単価[500円]× 客数[200人]= 売上[???円]
通常の場合、平均客単価、客数といった数式の要素はあらかじめ決まっている
●ゴールシークを用いたシミュレーション
平均客単価[500円]×客数[???人]=売上[12万円]
数式の結果だけ先に決まっていて、数式の要素を逆算するには、ゴールシークが便利
ゴールシークは応用範囲の広い機能です。みなさんのアイデア次第でいろいろな計算に利用できます。例えば、上記の他にも「
目標利益から必要な回転率を割り出す」(図1)、「
総予算(利益)から調達できる人員を割り出す」(図2)などでも利用できます。ポイントは上記にある通り「希望の計算結果を得るために必要な値を逆算する」です。このことを念頭に、どのようなケースで利用できるか検討してみてください。また、既存の業務のなかでこの機能を活用できるものがないか、確認してみてください。
ゴールシーク用の表を作成する
ゴールシークを利用するには、最初に「
逆算用の数式を入力した表」を作成します。今回の場合は「平均客単価」と「客数」、そして2つを掛け合わせた「売上」の3つが記載されているシンプルな表でかまいません。客数には、仮の数字として「200」と入力しておきます。
ゴールシーク用の表を準備したら、[データ]タブの
[What-If分析]→[ゴールシーク]をクリックして
[ゴールシーク]ダイアログを表示します。このダイアログには3つの入力欄があります。各欄に何の値を入力するのか、ここでしっかりと把握しておいてください。
これも重要! [目標値]項目にセル参照は指定できるのか
[ゴールシーク]ダイアログの2つめの入力項目である[目標値]にはセル参照は指定できません。一見入力できそうですが、ベタ打ちの数値しか指定できないので注意してください。
これも重要! ゴールシーク使用時の注意点
ゴールシークは非常に便利な機能ですが、2つの大きな制約があります。1つは[目標値]にセル参照が指定できないこと、そしてもう1つが[変化させるセル]に
数式が入力されているセルは指定できないことです。今回の例の場合、右表のように「客数」を数式で求めているとエラーが表示されます。
このような場合は、表全体を新しいシートにコピーして、対象のセル(右の例では「客数」)をベタ打ちで入力してからゴールシークを行います。
【次ページ】目標利益から必要な回転率を割り出す
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