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- 2017/01/27 掲載
クックパッドのグローバル展開でわかった、「単なるテキスト翻訳ではダメ」ということ
【後編】
開発の段階で翻訳を意識する
次に翻訳です。文字や言語の成り立ちがデザインに与える影響というのはけっこうあって。
例えば英語でもこんなプログラムを書いたら、男性女性の単語の変化や複数形でやられたりします。
テキスト中にUIコンポーネントを組み込むと、ほかの言語で語順が変わったときに使えなくなるので、こういうのもやってはいけません。
各言語で「BUtterfly」をどう表記するかを例にすると、漢字はその文字自体が意味を持っているので1文字で表現できますが、言語によってはすごく長くなるものがあって、エンジニアはつねに、このフレーズが長くなったらどうしようかと考慮しながらコードを書いたりとか。
フレーズに対して、ここは何文字以内でお願いしますというアノテーションを付けられるので、そういうこともしています。
ORは「オワ」か?「オレゴン州」か? 問題
例えばこの、「O」と「R」でできた単語を見て、これが「AまたはB」のオワを指すのか、オレゴン州の州コード「OR」を指すのかは、コンテキストがない限りどちらも正解です。
Kindleで「ライブラリに移動」「オレゴン州」「ショッピングを続ける」ということがあったそうです。翻訳でコンテキストを伝えるというのはそれだけ重要なわけです。
「Premium」という言葉は日本ではわりとポジティブな言葉だととらえられていると思いますが、同僚のイギリス人いわく、英語圏で「Premium」は無課金ユーザーを差別しているようなネガティブな印象を与えて良くないということで、Amazon.comでも国によって単語を変えています。
クックパッドでも「Premium」というサービスがあるので単語を変えようというのがあったりとか、同じ機能でも国が変わると呼び方が変わることがあります。
翻訳はテキストだけとはかぎりません。
サービスにあるプレイスホルダーの画像ですが、以前はキノコやライスを使っていたのですが、これらは世界中で食べられているわけではないので、もっと一般的な鶏肉やジャガイモに変えたりしていますし、アップストアのスクリーンショットも国ごとに変えて、これは自分の国のレシピが出てくるんだ、ということをアピールしています。
で、時間がないので少し飛ばします。
【次ページ】 国籍はばらばら、世界中に分散している開発チーム
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