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- 2017/01/30 掲載
脳の機能を使いこなして「スキルアップ」する5つのコツ(2/2)
画像と文字をセットで学習する
勉強は時間との戦いです。限られた時間で効率的な勉強をすることが重要です。脳はもともと、文字で学習するよりも画像で学習することのほうが自然です。私たちは、文字をそのまま認識して物事を理解するのではなく、脳内でその文字を意味する画像に変換してから、その言葉の持つ意味を理解しています。つまり、文字よりも画像で理解するほうが脳の機能として自然であり、かつ効率的なのです。ウィスコンシン大学(米国)の調査によると、子どもたちが語彙を学ぶとき、言葉に映像を組み合わせると記憶の保持率が2倍に高ることが判明しました。
たとえば、「Automobile(自動車)」という英単語を覚えるとき、文字だけでなく自動車の画像をその言葉の上に描くことによって明らかに記憶は定着したのです。
フランシスコ・ザビエルや徳川家康は、歴史上の有名な人物ですが、あなたは、文字だけでなく、その肖像画でも記憶しているはずです。もしも肖像画がなかったとすれば、記憶に定着させるのによりエネルギーが必要になったはずです。
もちろん、試験で解答するのは画像ではなく文字なのですが、記憶するときの主役はあくまでも画像であり、言葉は脇役にすぎないということを肝に銘じてください。これこそ、脳科学に即した学習法なのです。最近は、辞書や参考書の多くが画像とともにDVD-ROM化されているので、文字と画像をセットで参照するようにしましょう.
「集中学習」と「分散学習」を理解する
勉強を同じ時間しても、その密度によって効果はまったく違ったものになります。一般的に、集中して一挙に学習するのを「集中学習」、ある程度時間を分散させてコツコツ学習する形態を「分散学習」と呼びます。たとえば、「一夜漬け」は集中学習です。効率的なのは、もちろん分散学習です。さまざまな実験で、集中学習よりも分散学習のほうが、学んだことを忘れにくいという結論が出ています。集中学習では、一気に記憶した反動として一気に忘れてしまうのです。集中学習は短期記憶としては記憶されますが、長期記憶に移行しにくいのです。
結局のところ、コツコツと毎日勉強する人のほうが、明らかに豊富な知識を身に付けられるのです。もちろん、長期間にわたって勉強を強いられる受験や、弁護士や公認会計士に代表される資格試験においても、分散学習のほうが有効であることは言うまでもありません。
勉強ノートを作る
文字として形に残さないと、今、あなたが考えていることは、永遠に闇に葬り去られる運命にあります。受験勉強や資格試験で良い結果を残したかったら、まずは「勉強ノート」を作成して、そのときどきの思いを形に残しましょう。勉強ノートは肌身離さず持ち歩き、時系列的に、その時々に思いついたことを書き記しましょう。なぜなら、脳は、あなたの人生に起こったどんな些細な出来事でも、エピソード記憶として、時系列的に、しかもとても正確に覚えているからです。また、時系列的にまとめていれば、とても読み返しやすくなります。
勉強ノートには、以下の5つの要素を盛り込みましょう。
(1)日々勉強のゴール(目標)
(2)勉強のご褒美
(3)体調管理について
(4)欠点や失敗した事実
(5)そのときどきに考えていること
常にこの5つの要素を意識しながら、思うまま勉強ノートに記述していきます。読んだ本の感想、その時々に勉強について思いついたことを、小まめに記入していきます。
勉強ノートが邪魔になる場所ではメモ用紙を使うとよいでしょう。運動中や就寝中にも、脳はアイデアや直観を絶え間なく出力し続けています。メモ用紙や付箋紙に記入したものは、勉強ノートに直接書き写すか、貼るか、そのどちらかを選択してください。この作業で新たな勉強のヒントが生まれたり、自分が重要視していることの確認ができるのです。
・常に作業の優先順位を確認しながら勉強しているか?
・過去問を最重要視しながら勉強を進めているか?
・勉強を阻害する作業をしていないか?
・やらなくても良い無駄な作業をしていないか?
上記のようなことを確認しながら、自分だけの勉強ノートを使って、最高の勉強ができる環境づくりに努めましょう。
※本記事は、SBクリエイティブOnlineの内容を転載、一部を再構成したものです。
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