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- 2015/04/22 掲載
IoT、ビッグデータ、ロボット時代に潜むセキュリティ懸念、解決のための3つのポイント
先進技術に潜むサイバーセキュリティの懸念
まず1つ目は、すべてのモノがインターネットにつながるIoT時代の到来だ。「IoT時代になっても、情報システムが停止したり、誤作動したり、情報が盗まれる可能性がある。つながっているものによって、問題が大きく広がってしまう危険がある。インターネットが情報をやり取りするハブとなって、そこに誰か悪意を持った人々が入ってくると、すべての端末で悪意が働くことになりかねない。たとえ直接的ではなくても、踏み台として端末を経由して他の攻撃に使われたりする危険もある。その意味で今後は、格段に注意すべき対象が増えるだろう。IoT時代は、さまざまな可能性が広がると同時に、リスクも広がっていく」と指摘する。
2つ目に起こることはビッグデータ化の進展だ。モノがたくさんつながると、それに合わせてデータも蓄積されていく。センサー技術が発展すれば、どんどん情報が蓄積されていく。従来は国家レベルのスーパーコンピュータでなければ処理できなかったことも、企業でハンドリングが可能になった。
「そのような状況で、プライバシーの問題が必ず懸念として上がって来るだろう。個人データの活用というメリットもあるが、逆にプライバシーが漏れるという懸念も挙げられる。利活用とプライバシーをどのようにバランスさせるのか、これはビッグデータの活用とともにますます広がっていくだろう」。
たとえばTwitterやFacebookなど、SNSに投稿したデータと他のデータが結びついてネット上に個人的なイメージがつくられていく。丸山氏は「もし自分が望んでいない人たちにデータを見られていた場合、そのデータの取り扱いをどうすべきか。それを明確にしておかなければ、将来的に誰も安心してインターネットを利用できなくなるだろう。このような議論は、国民レベルでしっかり行っていく必要がある」と指摘する。
3つ目は、自律移動する無人自動車やドローンのようなロボットに関する懸念だ。日本では昔から産業用ロボットが発展してきた。これらは工場内に固定され、アーム部が稼働するものが多いため、人が立ち入らなければ危険は少ない。しかし、今後は人が暮らしている空間に稼働するロボットがどんどん入ってくる可能性がある。
「ロボットの大きさや重量を制限することによって、運動エネルギーを小さくして人に対する脅威やダメージを抑えられるかもしれないが、自動車などは必然的に1トン近いものになる。もし、それが時速60kmで人間に向かってきたら大変なことになるだろう。そういう問題も今後は考えておかなければならない。インターネットにつながれば、いまはハッキングされなくても、そういう想定も事前にする必要がある。ロボットも同様だ。米国の軍事技術として開発されたものは、巨大で重量もあるため、同様のことが起こる可能は捨てきれない」
【次ページ】国際/官民連携、人材の育成がポイント
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