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  • 2012/12/05 掲載

経産省CIO補佐官 平本健二氏が語る、BPM/BPMNによる業務・調達プロセス最適化

標準表記法が普及促進

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ビジネス環境が急速に変化するなかで、企業は変化に柔軟に対応できるよう、プロセスの柔軟性を高め、効率化による競争優位性を確立する必要がある――そう語るのはBPM(ビジネスプロセスマネジメント)の専門家としても知られる平本健二経済産業省CIO補佐官だ。平本氏は、政府内の業務・システムの最適化や調達プロセスにBPMを適用することも想定した調査研究結果を踏まえ、「いま、なぜBPMなのか」について語った。
執筆:丸山 隆平

機動性、迅速性を担保したシステム開発の実現

 日本アイ・ビー・エムが開催した「BPM最前線2012秋」で特別講演に登壇した経済産業省CIO補佐官の平本氏はまず、BPMについて、「従来のシステム導入はスクラッチ開発かパッケージ導入が主流だった。最近はSaaSもあるが、これらに対してBPMベースの開発は、日ごろから身近な業務改善や業務変更がある場合に有効だ」と語る。

「BPMはライトなソリューションであり、このプラットフォーム上で業務を組み立てる形が、機動性、迅速さの点から、今後の新しいやり方として普及してくると思う。」

BPM(Business Process Management)とは

BPMは、ビジネスプロセスを可視化し、プロセスの分析、業務改善検討、モニタリングを行うことを通じて、継続的にビジネスプロセスの改革を推進するマネジメントツールである。プロセスの実施状況を評価するKPI、モニタリングによる実施結果を一貫して管理する。さらにそれらを基に経営判断を行うことにより、下記を実現する。

  1. 社会経済状況の変化に対する組織適応力の向上
  2. サービスの高度化、サービス提供の迅速化
  3. 経営の強化(経営戦略とオペレーションの整合性向上)、ガバナンスの向上など


(出所:日本BPM協会)

 ただし、これまでプロセスの可視化などに統一したルールがなく、モデリング担当者によって品質にばらつきがあり、相互運用や利用するプラットフォームへのロックインといった観点から、BPMの導入は日本で進まなかった。

 しかし、「BPMを実現するための標準的な表記法としてBPMN(Business Process Model Notation)が整備され、相互運用性に関する検討が進んでいる。さらにBPMNのバーション2.0が2011年1月に公表されたことに加え、多くのツールが提供されるようになったことからBPMやBPMNの普及が広がっている」と平本氏は指摘する。

BPMN(Business Process Model Notation)とは

OMG(Object Management Group)で標準化が進められているビジネスプロセスの表記法。人間系の業務プロセスを主な対象としており、表記が簡易なため、ユーザーにわかりやすいことが利点である。モデリングについては次の3つのレベルが想定されており、目的により使い分けることができる。

レベル1 主な業務(正規系の業務)の流れを表現し、業務フロー図として、俯瞰的な検討を主目的とするレベル

レベル2 イレギュラーな業務の流れも含め業務を詳細化し、シミュレーションなどによる定量な分析を目的とするレベル

レベル3 上記レベル2に加え、プロセスデータや外部システムとの連携を考慮し、プロトタイピングや実装を目的とするレベル


2011年1月に、ワークフロー実装、相互運用を考慮したレベル3をサポートするBPMN2.0がリリースされたことで普及が加速しつつある。なお、OMGとは、企業、大学、非営利団体等の約370団体(2011年2月時点)が参加する非営利の国際的なコンソーシアムで、ソフトウエア技術に関する標準化に取り組んでいる。

画像
BPMの適用フェーズ



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