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- 2012/11/20 掲載
自動車のサイバーセキュリティ、米国運輸省が1,000万ドルを投入する狙い
予想されていた家電や自動車のセキュリティ
やや物騒な話だが、戦闘機の空対空ミサイル1発ごとにIPv6アドレスを割り当て、制御することも可能だと(それだけIPアドレスを潤沢に使うことができる)というたとえ話もあった。
日本のインターネットの父と呼ばれる村井純氏(慶應義塾大学教授)が、タクシーのワイパーにIPv6アドレスを割り当てて稼働状況をモニターすれば、日本中の降雨状態が可視化できると唱えた話も有名である。
もちろん、テレビや冷蔵庫にも1台ずつIPアドレスを割り当てられるというアイデアもすでに存在しており、必然的にセキュリティ問題も持ち上がった。テレビの視聴内容や冷蔵庫の中身がインターネットに公開されてしまう、といった議論だ。
これらの議論は実際の製品化がなかなか登場しないこともあって、自然に表舞台からは姿を消していったが、水面下ではIPv6の研究や普及活動は進んでいた。BlackHatやDEFCONのようなセキュリティカンファレンスや学会発表ではよく取り上げられている。ATMや家電製品、ホテルのカードキー、自動車のECU(エンジン制御ユニット)やイモビライザーなどのハッキングは定番ネタといってもよく、専門家の議論や研究は今でも注目を集めている。
それが現在、家電製品(スマート家電)や自動車(スマートカー、EV)がいよいよ本格的にインターネットにつながるようになり、この問題が現実のものとして、再び表舞台で議論されるようになってきた。下記は、トヨタがコンセプトカーとして発表した「Fun Vii」のイメージ映像だ。スマートフォンが操作の起点になっていることがわかる。
自動車業界団体発のサイバー攻撃への取り組み
こうした自動車のIT化の進展に対して、いち早くセキュリティ対策に動いたのが米国だ。NHTSA(National Highway Traffic Safety Administration:自動車や運転者の安全を監視する米国運輸省の一部局)が、2013年度予算の概算要求において、自動車の車内電子制御機器および車車間通信機器のセキュリティについて、1千万ドル(約8億円)規模の調査を行うとしている。今すぐビジネス+IT会員にご登録ください。
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