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- 2012/01/17 掲載
日本企業、BoPビジネスに3つの課題
新興国攻略と将来のMoP層への布石を考える
将来のMoP層に対する継続的アプローチのために何をすべきか
BoP市場とは、世界人口の72%に相当する約40億人を対象とした、所得総額5兆ドルにものぼる巨大市場だ。一般にBoP層に属する人々の年間所得は一人当たり3000ドル未満と定義されており、新興国でも人口の大半は、依然としてBoP層によって占められている。BoPビジネスは、このBoP層をターゲットにして、「将来に向けたイノベーションや新しい市場の創出を狙いとして始まった」(野村総合研究所 経営コンサルティング部 副主任コンサルタント 津崎直也氏)。それではなぜ今、日本企業がBoPビジネスに取り組まなければならないのか。その理由として挙げられるのが、今後100年にわたる継続的な国内人口の減少だ。
総務省 国立社会保障・人口問題研究所の推計データによれば、1905年時点で約5000万人だった日本の人口はこれまでの100年間で約8000万人増加し、2005年にピークを迎えた。しかし今後の100年で約8000万人減少し、2105年には100年前と同じ約5000万人程度になることが予想されている。
こうした日本の人口動態を受けて、現在の日本の企業は「国内で海外の人材を活用する“内なるグローバル化”を図るか、あるいは新興国などへ進出していく“外へのグローバル化”を図るかの選択を迫られている」(津崎氏)状況にある。
野村総合研究所はこのうち“外へのグローバル化”に焦点を当て、今後世界市場がどのように変化するのかを予測した。予測によれば、2005年を起点とした2030年までの25年間で、35.2億人がBoP層からMoP(Middle of the economic Pyramid:中所得)層へと移行し、2030年時点でのMoP層は約55億人、家計支出総額は71.6兆ドルに達するという。
この試算に基づけば、2030年時点でMoP層を構成する実に約64%がBoP層から上がっていくことになる。今からBoPビジネスに取り組むことは、すなわち将来のMoP層に対して継続的にアプローチすることにつながるわけだ。
「日本企業が今、BoPビジネスに取り組む意味は、まさにこの点にある」(津崎氏)。
【次ページ】日本企業のBoPビジネスが乗り越えるべき3つの課題
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