• 2011/12/20 掲載

A10ネットワークス 小枝逸人社長:IPv6の商機を取り込んで大幅躍進、クラウド時代のITベンダーの役割とは(3/3)

日本型ビジネスで次世代の課題に取り組む

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クラウドでビジネスフレームワークも変わる

 クラウドサービスの普及は、IPv4枯渇のように純粋に機能的な課題ではない。しかし、ビジネス形態が変わればそこで求められるものは変化する。そして、その要望に応えて行くのが使命だと小枝氏は言う。

「クラウドサービスの普及は、技術面とビジネス面の双方に大きな変化をもたらしています。技術面で起きているもっとも大きな変化は、仮想化の急速な促進です。AXシリーズはサービスの目的に合わせて最適な導入形態を選択できるよう、仮想アプライアンス、専用アプライアンスなど、いくつもの形態で提供されています」

 AXシリーズはコアとなるACOSとハードウェアの両面からパフォーマンスを磨かれた製品だが、それらを自在に組み合わせて利用できる柔軟性も併せ持っている。柔軟性やコストパフォーマンスを重視する環境で便利なのは、VMware上で動作する仮想アプライアンスSoftAXだろう。専用ハードウェアを必要とせず、VMware上で他の仮想サーバと同様に管理できる。パフォーマンスを求める場合には、SoftAX専用のハードウェアであるAX-Vアプライアンスが提供される予定だ。

「機能要件だけではなく、クラウドにおいて必要なのはビジネスフレームワークの変化だと考えています。サービスプロバイダ、そこで使われる各機器のベンダー、そしてエンドユーザーのそれぞれに利益が生まれなければ、クラウドサービスはインターネットの主役としてテイクオフできません。まずITありきの発想から、ビジネスモデルありきの発想に転換し、そこで必要な機能を、ビジネスモデルに合った形態で提供していけるベンダーにならなくてはならないと考えています」

 同業ベンダー同士の競争で価格が決まる時代から、クラウドサービスで何を実現したいのかを考え、そこで提供できる価値について対価が払われる時代が訪れようとしていると、小枝氏は語る。そこには、ユーザーが求めるものを常に提供し続けてきた、A10ネットワークスのビジョンが重なる。

「クラウドマーケットのニーズも、IPv6へのニーズも、どちらも大切です。さらに今後の日本では、省エネやグリーン化のニーズも高まるでしょう。A10ネットワークスはこうしたニーズを受け止め、解決策を提案していけるベンダーでありたいと思います」

(聞き手:編集部 松尾 執筆:重森大)

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