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- 2013/05/17 掲載
A10ネットワークス リー・チェンCEOに聞く、SDN化によりネットワークに求められるもの
高まるSDNへの期待とA10ネットワークスがSDNで果たす役割
「モバイル端末の増加により、クラウドにデータを預けることが急速に広まりました。その結果、クラウドの重要度はこれまでになく高まっています。クラウドサービスを効率的に、安全に提供するための機能がネットワークに求められており、重要なキーとなるのがSDNです。」
リー・チェン氏はそう言い、こうした変化がデータセンターのクラウド化、高機能化を促していると語る。サーバロードバランシング、SSL、DDoS攻撃対策やWebアプリケーションファイアウォールなどの高度なセキュリティが求められ、並行してIPv4からIPv6への本格的移行も進んでいる。それらに対応したうえで、各種サービスをクラウドで迅速に提供するための高い柔軟性をSDNで実現していかなければならない。
「必要な機能ごとにデバイスを導入していった結果、データセンターの機器構成は複雑化しています。これでは機能はそろっても、柔軟性や迅速な対応は難しくなります。こうした状況を変えていくのが、A10ネットワークスのADC製品です。DDoS対策などのセキュリティ機能を集約して機器構成をシンプルにし、さらにネットワーク管理に柔軟性を与えます。」
リー・チェン氏はA10ネットワークスのSDNソリューションの中心には3つの柱があると語った。ひとつは、世界標準であること。互換性の高い標準ベースのソリューションを提供し、他のソリューションとの相互接続性を確保する。ふたつ目は、パートナーシップの重視。ユーザやパートナー企業が持つ特定のアプリケーションやニーズにも対応を広げ、それらのソリューションを統合できる機能をA10ネットワークスからは提供していく。
その機能とは具体的には、ポリシー制御のためのL7インテリジェンスや、OpenFlow向けの拡張などとなる。そしてみっつ目に挙げられたのは、A10ネットワークスのコア技術の進化だ。ロードバランシングや冗長化によるアベイラビリティの確保、リソースのモビリティの確保などだ。
ソフトウェアベースであることがA10ネットワークスの強み
A10ネットワークスのADC製品はアプライアンスとして提供されるが、そのコアとなる強みはソフトウェアにこそあるとリー・チェン氏は胸を張る。トラフィックコントロールに特化した専用ソフトウェア、ACOS(Advanced Core Operating System)がそれだ。2005年に開発が始まり、7年以上の開発期間を費やして進化を重ねてきた。2007年にはIPv4/v6の同時サポートを可能にし、その後も追加ライセンスなしで使えるSSLアクセラレーションや、キャリアグレードNATを含むIPv6移行機能など先進的な機能を取り入れ続けてきた。「近年ではADCベンダとして初めてDNSアプリケーションファイアウォールを搭載、DNS攻撃やDDoS攻撃リスクの低減に成功しました。またコネクション当たりのコストやエネルギー効率の向上にも力を入れ、データセンターのグリーン化にも貢献しています。」
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