• 2011/04/27 掲載

【民主党藤末氏コラム】震災で活躍したスマートフォン ~災害に強い情報インフラの構築を~ 第4回(2/2)

連載『ふじすえ健三のビジネス+IT潮流』 

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体験から得た教訓

 自ら帰宅難民となった経験から、東京で大きな地震が起きた時、どのように帰宅者を自宅へ誘導するか、改めて考えさせられた。歩いて帰ろうとしても帰り道が判らないし、携帯がつながらないから家族と連絡もとれない。もし、停電して真っ暗になったら帰り道が判らないどころか路面が見えないだろう(その後の計画停電で街灯が消えた街が現実となった)。

 さらに、被災地においては、安否・生存情報、支援活動や食料・医薬品・交通など、命にかかわる情報が、ITなしでは得られないケースがあったと聞く。情報難民や情報リテラシーの重要性は震災前から指摘されていたことではあるが、今回のような大災害で、そうした問題が顕在化したと言える。

災害時にいかに情報インフラを機能させるか

 東日本大震災はインターネット時代の日本を襲った初の大型災害だという。もはや社会インフラとなった携帯やネット、データセンターなどのITをいかに機能させ続けるかが大きな課題だ。

 これらの課題に対応するためには、インターネットへの携帯からの接続環境を整備し、携帯のトラフィックをインターネットに振り分ける必要がある。当然、停電に対応するため通信施設用非常用電源など整備すべきである。Wi-Fiが使用可能な場所を緊急時に被災者に伝わる仕組みも必要だろう。

また、そもそもスマートフォンやWi-Fi機器を持たない(持てない)人も多い現実を踏まえ、主要道路に歩行者用情報端末を提供し、災害状況や避難路情報を提供してはどうか。通常時は一般的な情報提供端末として利用できる。

 さらに、帰宅道に独立型電燈を設置すれば、停電しても真っ暗になって歩けないという事態が避けられる。昼に太陽電池で充電し、照明する電燈が主要道路には必要だと考える。

 今回の震災を反省材料にし、新技術を導入した防災対策を進めなければならない。堤防などのハードウェアだけが防災対策ではない。

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