さらに、昨今の金融危機で経済的に苦境に立たされているアイスランドにおいて、ウィキリークスは2009年7月29日、アイスランドのカウプシング銀行の内部資料を公開した。資料により同行のずさんな経営実態が暴かれるとともに、このニュースはアイスランド全体を大きく揺るがすことになった。この事件を契機にウィキリークスはアイスランドの議会との接触点を持った。その後アイスランドでは「アイスランド・メディア・イニシアチヴIcelandic Modern Media Initiative(IMMI)」という法案が、ウィキリークスによる法案内容作成の助力もあり、2010年6月15日に採択された。この法案は主にオンラインメディアなどの情報公開を支援する目的があり、情報提供者の保護も念頭に置いている。具体的な文章にするまでにはおよそ1年かかるとのことだが、数年後には、重要なリークを実行しようとする独立系メディアがアイスランドに大挙し、世界中のリークの発信源になる可能性もある。リークはすでにウィキリークスだけの問題ではないのだ。