• 会員限定
  • 2010/08/02 掲載

スタンフォード大学 学長 ジョン・L・ヘネシー氏:イノベーションを可能にする3つのタイプの人材

素晴らしい発見は、素晴らしい人間から生まれる

  • icon-mail
  • icon-print
  • icon-hatena
  • icon-line
  • icon-close-snsbtns
会員になると、いいね!でマイページに保存できます。
技術のイノベーション(=革新)は突発的な波でやって来る。決して連続的なプロセスではない。その波を見つけることができるのは、長期的視野で物事を見ている大学や研究所だ。またその波は、複数企業だけでなく、まったく新しい産業を作るだけの力を持っている。大きな波が来た時にうまく捉え、市場に送り出すことが世界の変革につながっていくのだ。こうした“生態系”は、どのようにして形成されるのか。スタンフォード大学 学長で、米Googleの社外取締役も務めるジョン・L・ヘネシー氏の考察をご紹介する。

より重要性が増す「大学」の役割

photo
スタンフォード大学
学長
米Google 社外取締役
ジョン・L・ヘネシー氏
 研究とイノベーションは、経済成長の源泉となるものだ。たとえば半導体。最初の基礎的な研究は、ベル研究所で行われた。その後、企業で商業化に向けたさまざまな研究が続けられ、結果として半導体産業が生まれた。パソコン産業や現在のインターネット産業も同様だ。こうした多くの発明が、新興企業や新しい産業構築の礎(いしずえ)となっている。

 ヘネシー氏は「大学こそが、現状打破的なイノベーションの源泉となっている」と語り、「イノベーションが起こるのは、大学が多くの場合、長い目で物事を見るからだ」と、大学の重要性を強調する。

 また大学は小さな積み上げ型の改善ではなくブレイクスルー型、即ち、現状打破的な大変革そのものを嗜好するという。大学で生まれた革命的な技術によって、新しい企業だけでなく、新しい産業が生まれていく。ヘネシー氏は「大学が果たす役割は、時間とともにさらに重要になってきている」と続ける。というのも、企業が基礎研究を行うことが難しくなってきているからだという。その背景には、研究による十分な見返りが、株主のサポートを得られるほどの短期間で得られないという問題がある。結果、基礎研究の多くが、徐々に大学にシフトしてきているのである。

 さらにもう1つ、重要な点は、ブレイクスルー的な製品の多くは、実は公共財であるということだ。UNIXやトランジスタなどは、ある1社が保有し、独占的に活用できる資産ではない。

 「そうした意味で、公共財あるいは公共の利益にかなった研究も、大学で行うのがベストだと思っている」(ヘネシー氏)

【次ページ】イノベーションを起こす3つのタイプの人材
関連タグ タグをフォローすると最新情報が表示されます
あなたの投稿

    PR

    PR

    PR

処理に失敗しました

人気のタグ

投稿したコメントを
削除しますか?

あなたの投稿コメント編集

機能制限のお知らせ

現在、コメントの違反報告があったため一部機能が利用できなくなっています。

そのため、この機能はご利用いただけません。
詳しくはこちらにお問い合わせください。

通報

このコメントについて、
問題の詳細をお知らせください。

ビジネス+ITルール違反についてはこちらをご覧ください。

通報

報告が完了しました

コメントを投稿することにより自身の基本情報
本メディアサイトに公開されます

必要な会員情報が不足しています。

必要な会員情報をすべてご登録いただくまでは、以下のサービスがご利用いただけません。

  • 記事閲覧数の制限なし

  • [お気に入り]ボタンでの記事取り置き

  • タグフォロー

  • おすすめコンテンツの表示

詳細情報を入力して
会員限定機能を使いこなしましょう!

詳細はこちら 詳細情報の入力へ進む
報告が完了しました

」さんのブロックを解除しますか?

ブロックを解除するとお互いにフォローすることができるようになります。

ブロック

さんはあなたをフォローしたりあなたのコメントにいいねできなくなります。また、さんからの通知は表示されなくなります。

さんをブロックしますか?

ブロック

ブロックが完了しました

ブロック解除

ブロック解除が完了しました

機能制限のお知らせ

現在、コメントの違反報告があったため一部機能が利用できなくなっています。

そのため、この機能はご利用いただけません。
詳しくはこちらにお問い合わせください。

ユーザーをフォローすることにより自身の基本情報
お相手に公開されます