- 2025/04/27 掲載
1人の個人事業主を「業界の革命児」に変えた「認知科学コーチ」のサポートとは(2/2)
認知を変えるサポートは、知識を持つコーチだけができる
では、一体どこまでが今の生き方の内側で、どこからが今の生き方の外側なのでしょうか?たとえば、「今は平社員の私が『この社員数1000人の会社で部長を目指す』という目標を立てたら、今の生き方の外側にGOALを設定したことになるはずだ」と考えた人がいたとします。
しかしそれは、その人にとって今の生き方の外側にあるGOALではありません。
なぜならそれは、今のあなたのやり方、考え方で、ものすごく頑張ればたどり着けるGOALだからです。
自分の中では確率が低いと思っているかもしれませんが、このようなGOALを設定するということは、今の生き方の中でものすごく頑張った先に、「今いる会社の部長になるというGOALはありえなくもない」とあなた自身が感じている証拠です。
それは、今の生き方の延長線上にGOALを設定したに過ぎません。
そして、そのGOAL設定では、あなたの認知は変わりません。というのも、変わる必要がないからです。
そのため、これまでと同じような情報収集を続け、同じような選択・行動をしていくことになるでしょう。
今の生き方の内側は成長がないというわけではなく、今の生き方なりの成長率になります(今の生き方が、現状を完全に維持、もしくは衰退する生き方の場合はそうなっていきます)。
では、今の生き方の外側にあるGOALとは何か。
それは、今のままの生き方をしている限り、自分自身では決して思いつかない、イメージできないところに存在しています。
そのようなGOALは、今の生き方の外側にあるのですから、今のあなたには見えないのです。
私たちコーチの第1の存在意義は、ここにあります。
自分1人では「今の生き方の内側がどこまでで、今の生き方の外側がどこからか?」ということはわからないため、GOALを設定することができません。
認知科学のコーチは、そんなあなたに対して、「ここは内側です。ここからが外側ですね」と線引きし、「ここがGOALではありませんか?」と、あなたの重要関数が変わるほどのGOALを設定します。
重要関数が変わると、見えるものや聞こえるもの、認知が変わります。認知が変わってきたら、今までとは違う世界線に進んでいくことができます。そのようなサポートができるのは、認知科学の知識を持ったコーチだけなのです。
1人の個人事業主を「業界の革命児」に変えた事例
では、クライアントとコーチは、具体的にどのように今の生き方の外側にGOALを設定していくのでしょうか?おおよそ次の図表のとおりです。
一例を挙げてみます。
私のクライアントの中に、アパレル業界とITシステム業界の両方に精通している男性がいました。「日本のアパレル業界とITシステム業界のミスマッチをなくす会社の代表」として活動する光景を、その男性はありありとイメージし、現実感を覚えました。
もともとはアパレル業界で働いた後、個人事業主として独立しました。
一方でITシステム業界にも知り合いが多く、人をつなぐのが好きなことから、異業種の人を集めてイベントを開催したりしていました。
ただ、ご自身の中でキャリアの軸が定まっていない不安があったようで、私のコーチングを受けることを決意したのです。
コーチングを通して男性の自己理解を深めていくと、現在の自己機能は「アパレル業界とITシステム業界をつなぐハブの役割をするトッププレイヤー」というふうに捉えていることがわかりました。
セッションを進める中で、この男性のGOALの自己機能は、「日本のアパレル業界とITシステム業界のミスマッチをなくす会社の代表」といったものになりました。
このイメージの映像こそがGOALです。
この男性にとっては、個人事業主の仕事の延長にある光景が、今の生き方の内側のGOALです。
会社の代表として仕事をする光景は、今の生き方の外側のGOALでした。今まで1人で自由に仕事をしていたときは、自分1人で成果を出すことはコンフォートなのですが、「人を雇う」となると途端に拒否反応を示していたそうです。
この生き方の内側でそのまま進めば、ずっと個人事業主という形で成果を上げていくことになっていたでしょう。
それが、業界をつなぐ会社の代表になるというGOALを立てたことで、1人でやっていたことに違和感が生じ、重要関数が変わり、人を採用することや、会社にしていくために必要な情報が認知されるようになっていけば、彼の中でGOAL設定が機能し始めているということになります。
この状態になると、男性の中に現在リアルに生きている物理空間の自分と、脳の中で思い浮かべた情報空間上の自分の2つが存在するようになっています。
このような状態を、認知科学では「2つのゲシュタルトが存在する」と表現します。
関連コンテンツ
関連コンテンツ
PR
PR
PR